2. 「覚醒」に対する新たなアプローチ
逆効果のように思えるかもしれない。だが、睡眠の問題に対処するためには、「覚醒状態(目覚めており、眠れずにいること)」を受け入れてしまうことも最善の方法の1つだといえる。これは、新たに提唱されるようになった考え方ではない。だが、これまで盛んに議論されてきたものでもない。英紙ガーディアンは2010年、「不眠症の人は眠れない憂鬱な時間を受け入れ、現実的な可能性について検討するべきだろうか?」と問いかける内容の記事を掲載している。
その記事で筆者は「健康のためには質の高い睡眠をとることが最適だが、無理に眠ろうとすることも有害ではないか」と論じている。
英国を拠点に活動するウェルビーイングと行動変容テクニックの専門家アビー・ブースは、眠ろうとすることは緊張を高める原因にもなるため、「起きていることを受け入れ、(眠れなくても)ベッドでただリラックスした状態でいることが、緊張を最小限に抑え、自然な睡眠をとることにつながるだろう」と述べている。
特定の内科的疾患、または神経疾患がある人、不規則睡眠覚醒リズム障害のリスクがある人にとっては特に、「起きていることを受け入れるという」考え方は、ゲームチェンジャーになる可能性があるという。
3. デバイスとの健全な関係の構築
過去の研究結果から、適切な睡眠をとるために重要なのは、「テクノロジーにコントロールされることのない、健全な関係を築くこと」だとされている。デバイスとの不健全な付き合い方は、ストレスや燃え尽き症候群につながる可能性があり、それは睡眠にも影響を及ぼすと指摘されている。(forbes.com 原文)