SMALL GIANTS

2024.08.31 10:15

国家ブランド指数No.1の日本 海外に評価される、知られざる本当の強み

日本の若い世代はどう使っていくか

──日本の若い世代は、日本のブランドイメージをどう活用していけると思いますか。

佐宗:少し抽象的な言い方になってしまいますが、 今の日本で暮らしていると、人口減少や気候変動による災害の増加、またはGDPの低下など、ネガティブなニュースが多いと思うんです。しかし、実際、今回の調査を通じて見えてきたものは、 実際の日本人のライフスタイルとか、精神性とか、そういうものをふまえた、ありのままの日本。それが評価されているっていう現実があるんです。

これはクールジャパンじゃなくてオーセンティックジャパンなのではないでしょうか。自分たちの生活の、足元にある文化が、実は評価されている。

さらに言えば、1人1人が、自分たちの生活文化、もしくは日本にある日本の伝統文化を勉強したり、少しでも伝えられるようにしていけば、生きていく上での誇りみたいなものに繋がってくると思うんです。日本にはそういうものがすでに豊富にある環境にあるということが調査を通じて分かったことです。

同時に、実業家は、これを事業機会として捉えていくべきだと思います。 一般の方々にとっては「自分の足元にあるものを自信を持って伝えていいんだよ」と誇りを持てるような内容だったと感じます。
(shutterstock)

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──この調査結果が、誰にとって、どのような影響をもたらすことを期待していますか。​​

佐宗:失われた30年のなかで、日本のガラパゴス化が進んだという視点はすごく自虐的だし、ドライなことが多かったと思うんです。世界のスタンダードに乗り遅れている日本というように。しかし、むしろ日本の文化として自分の足元に眠っているものは、実は世界から見るとすごくユニークな存在として認識されていて、幅広く、かつ奥深いというのは、大きな価値だと思うんです。

その文化を大事にしていくとか、その文化を育てていくっていうことを国民 1人1人が、さらに言えば、企業が事業の営みとしていくことができれば、ブランド論の観点から見ると、他の国はすぐには真似できないものが詰まったブランドとして強いはずなんです。

文化の領域は模倣がすごく難しいので、ちゃんと自分たちの強みにしていけば、次の20年、30年ちゃんと残っていき、自分たちを助けてくれる資産になるはずなんじゃないかなと思っています。無形資産──目に見えない価値をちゃんと守っていくための事業を今後提唱していけると、これは次の世代にも残っていく文化資産になるんじゃないでしょうか。


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聞き手・編集=督あかり(スモール・ジャイアンツ担当)文=石川航大

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