SMALL GIANTS

2024.07.02 10:15

多拠点生活とウェルビーイングの本質 幸運な人が実践する「LUCKの法則」とは

Forbes JAPAN SALON「スモール・ジャイアンツ イノベーター Meetup」のトークセッション

Forbes JAPAN SALON「スモール・ジャイアンツ イノベーター Meetup」のトークセッション

地域発の革新に挑む「スモール・ジャイアンツ イノベーター(以下、SGイノベーター)」たちには、とある共通点がある。地域の知られざる魅力に気づいていて、さまざまな地域を行き来しながら楽しそうに仕事をしているのだ。ただ向き合っている課題は、グローバルにも通じる大きなトピックスであるし、経営者としての悩みも大きいだろう。そんな彼らはどのように多拠点生活をしながらウェルビーイングを高めているのだろうか。

SGイノベーターの3人を招き、Forbes JAPAN SALONとして初開催した「スモール・ジャイアンツ イノベーター Meetup」企画でトークセッションを行った。

登壇者は、YeeY 共同創業者・代表取締役の島田由香、アドレス代表取締役社長の佐別当隆志、こゆ財団代表理事でありAGRIST代表取締役の齋藤潤一。多拠点生活のリアルからビジネス上の心得まで、ウェルビーイングの本質に迫った。


──今日は普段から親交があり、多拠点生活をしながら事業展開をする御三方に集まっていただきました。まず、自己紹介をお願いします。

佐別当:2018年から、月額定額制で全国どこでも住めるという多拠点生活ができるプラットフォームADDressを運営しています。今は、ワーケーションや二拠点居住など、ずっと会社か家でお仕事をする以外の働き方が広がってきてるので、多拠点生活の選択肢を広げるため、国内外で300カ所以上の拠点をつくり、何千人もの方々が使っていただいているサービスになっています。

島田:私はこの2年間、雇われないという働き方を選んで、今も多拠点生活を試しています。いわゆる会社で働いていた時、最後はユニリーバ・ジャパンの取締役人事総務本部を務め、ずっと組織と人に関わる仕事に携わってきました。

今は、住所を和歌山県に移し、1カ月のうち1週間ほど東京で、10日ほど和歌山で、それ以外は別の地域にいます。人材育成や組織開発、コーチングなどの研修や、講演をしたり、東京や大阪など都心で働く方向けにマインドフルネスや地域活動に関わるプロジェクトなどを展開しています。

齋藤:僕はかつて米国シリコンバレーで働いており、帰国して東日本大震災をきっかけに地域経済に目を向けて10年以上地域での事業を続けてます。2017年に宮崎県新富町が地域商社をつくり、1粒1000円のライチをふるさと納税の返礼品に位置付け、いま町への寄付額が100億円を超えて、企業家育成に投資するというモデルで、多数賞をいただいています。

今はアグリストという農業課題を解決する自動収穫ロボットのスタートアップもやっており、北海道から沖縄までいろんな農場を回りつつ、今朝も、熊本の展示会に出てから夜に東京に来ました。各地に赴くライフスタイルを楽しんでいきたいと思っています。

多拠点⽣活のリアル 

アドレス代表取締役社長 佐別当隆志

アドレス代表取締役社長 佐別当隆志

──佐別当さんは、札幌と静岡の三島を拠点にしていると伺っているのですが、今はどんな生活をしていますか。

佐別当:元々僕は、大阪の八尾の出身で、 仕事のため東京に来ました。その後、田舎への憧れから、熱海と東京で2拠点生活をしていたのですが、その中で苦労した経験が、多拠点生活を支援する、アドレスのサービスを始めたきっかけとなっています。 

今は、友人の紹介で北海道余市町に畑を貸してくれる方が見つかって、 余市と札幌で、畑作業をしながらワーケーションをする生活をしています。毎月東京には来ているので、北海道だけでは移動が少ししんどいなと思い、今年春から関東圏の拠点として、1LDKを最大12人でシェアするという、ちょっと変わった物件を三島で借りはじめました。
次ページ > ライトな多拠点生活が潮流。政府も後押し

聞き手・編集=督あかり(スモール・ジャイアンツ担当) 写真=大星直輝

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事