キャリア

2024.08.08 11:30

米体操「シモーネ・バイルズ復活」から学ぶ、メンタルヘルスに関する教訓

「スポーツ競技に限らず、どのような業界で働く人であれ、バイルズの決断から学べることがある」とダルスキは話す。そして、ビジネス界で働く人やリーダーが、リーダーシップに関するバイルズの教訓を各自のメンタルヘルス管理にどう取り入れればいいのか、その方法をいくつか教えてくれた。

1. 前兆に耳を傾ける

人の体と心は、燃え尽きそうになっていることを教えてくれるので、その兆候が出ていないかに注意を払うべきだと、ダルスキは指摘する。

「そうしなければ、いずれは心が完全に折れてしまったり、健康面で深刻な問題を引き起こしたりすることになる。初期的な兆候に気づいたら、ただちに行動を起こし、必要な支援を受けよう。例えば、友人や、信頼できる同僚、支援の専門家に助けを求めよう。信頼できて、自分を助けてくれるチームやマネージャーが近くにいると理想的だ」

2. 休息をとる

ダルスキが見たところ、シモーネ・バイルズはひたすら「前へ、前へ、前へ」と突き進んでいたが、結局は長続きしなかった。「もうこれ以上『前進できない』という状態になってから身を引くよりも、週末や長期休暇を利用して、短めの休息をとるよう努めたほうがいい。そうすれば、限界に達するまで後回しにするようなことにはならない」

3. 自らが手本となって望ましい行動をとる

「シモーネ・バイルズは、驚くほど勇気があった。なぜなら、自分にツイスティ(体操選手が高難度の空中技に挑戦しているときに、空間認識を喪失する症状)が起きていることを正直に明かし、注目度の高い大会を自ら棄権したからだ」とダルスキはいう。

「その決断は、他のすべてのアスリート(と人々)に対して、自分の健康を優先して良いのだというシグナルを送った。自分が抱えているつらい悩みを明かすのはときとして難しい。しかし、そうやって胸の内を明かせば、我々の透明性が、他の人も同じことができるという先例を示すことになる」

メンタルヘルスの問題を公言、見事復活を果たしたシモーネ・バイルズ(Pascal Le Segretain/Getty Images)

メンタルヘルスの問題を公言、見事復活を果たしたシモーネ・バイルズ(Pascal Le Segretain/Getty Images)


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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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