2024.08.07 08:00

「五輪の真の勝者」はパリ 観光客20%増、ホテル稼働率は80%

Antonin Albert / Shutterstock.com

スポーツの成果もさることながら、今回のオリンピックの大きな勝者は、すべての競技のすばらしい会場となったパリの街だ。集客できるか多くの人が懸念していたが、これまでのところ観光客で大いに賑わっている。

エッフェル塔の真下でのビーチバレー、ベルサイユ宮殿での馬術、コンコルド広場でのスケートボード、「どくろの壁」と呼ばれる高い波で知られるタヒチでのサーフィンなど、すばらしい会場で行われる競技に観客は熱狂している。初期の報告によると、開幕からの数日間は商業的にも成功したようだ。複数の情報筋によると、パリを訪れる観光客は約20%増え、ホテルの稼働率は80%を超えたという。

オリンピック期間中は人々がパリに押し寄せるため、宿泊料金は目も飛び出る額になると多くの人がオリンピックが近づく中で予想していた。だが今年初めには、観光客の予約は殺到していないとの複数の報道があった。ホテルは料金を引き下げ、パリを避ける動きにより航空会社エールフランス-KLMは大幅な赤字となった。

米ブルームバーグ通信は開会前、オリンピックの観客の87%がフランス人である可能性が高く、既存の都市インフラがオリンピックに使用されるため、地元の一部の人はパリがひどく混雑することを懸念していると報じた。パリ市民の多くは、通りの混雑や法外な物価を恐れ、そして熱心な観客に住居を貸し出すというアイデアに後押しされ、できることなら街を離れると決めていた。

だがフェリーやバス、列車、飛行機のチケットを扱う旅行プラットフォームOmio(オミオ)によると、パリ市民以外のフランスの人はオリンピックを避けておらず、パリ行きの列車や飛行機の座席は普段より埋まっているという。Omioの利用者でパリに向かう国内旅行者の数はドイツ、英国の人に次いで3番目に多い。

仏紙レゼコーが報じたところによると、7月24〜27日にパリ地方を訪れた旅行者は前年比20%増だった。このデータの出所は、パリを中心とするイル・ド・フランス地域圏の国際ビジネスを支援する機関「チューズ・パリス・リージョン」だ。

この数字は他の機関のものとも一致する。パリ観光局によると、7月24日〜27日にパリを訪れた観光客は65万人で、フランス人観光客は前年同期比17.3%増、外国人観光客は同14.8%増だった。

また、パリに残っている住民が少ないため、地元の人々がよく足を運ぶ場所は混雑しておらず、快適に過ごせる。
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翻訳=溝口慈子

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