欧州

2024.07.10 10:00

ウクライナ、偵察ドローン迎撃にスポーツ機も投入 小銃で撃ち落とす第一次大戦式

アエロプラクトA-22軽量スポーツ機。2011年6月、ウクライナ西部ジトーミル(dragunov / Shutterstock.com)

ウクライナはすでにA-22を長距離攻撃ドローンとして使用している。自動操縦に改造し、爆発物を満載したA-22はロシア領内まで何百kmと飛行し、軍事目標や産業目標を攻撃している。
advertisement

Yak-52と比べてA-22にマイナス点があるとすれば、エンジンの非力さだろう。重量1300kg程度のYak-52に搭載されているベデネエフ社製エンジンの最高出力が360馬力なのに対して、重量450kgのA-22に搭載されているロータックス社製エンジンの最高出力は100馬力にとどまる。急激な旋回を伴う対ドローンの空中戦闘では、パワーウェイト・レシオ(出力重量比)に優れるYak-52のほうが有利かもしれない。

とはいえ、どのようなドローン迎撃機もないよりはマシだ。ウクライナは、国内の都市や基地に連日、ほぼ妨害されずに何十機と飛来しているロシア軍の偵察ドローンを撃墜するのに懸命だ。先週には3日連続で、航空基地に飛来した偵察ドローンに目標を発見され、イスカンデル弾道ミサイルを撃ち込まれている。

この攻撃によってウクライナ軍は貴重な戦闘機を少なくとも3機失った。いずれも、機材を発見されて位置を特定される前の段階で、ロシア側の偵察ドローンを撃墜できなかった結果だった。
advertisement

もっとも、スポーツ機や練習機によるドローンとの格闘戦は、稼働中の航空基地を防御するやり方としては最善のものではないかもしれない。こうした航空機は離着陸中の軍用機に危険を及ぼすおそれもある。

それでも、こうした軽量機を南部の都市などで防空に役立たせることができれば、ウクライナ軍は重量級の地上型防空システムを、攻撃を受けやすい航空基地の防空に回せる余地が生まれるかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事