欧州

2024.07.07 09:00

ウクライナが「迎撃ドローン」を実戦配備 無人偵察機やランセットの撃墜重ねる

Shutterstock.com

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ウクライナ軍のFPV(一人称視点)ドローン(無人機)がロシア軍の偵察ドローンを撃墜し始めた。ウクライナ政府が立ち上げた「ブレイブ・ワン(BRAVE1)」プラットフォームによる迅速な開発プロセスの成果のようだ。ブレイブ・ワンは優れたアイデアを速やかに実用化することを目的としたテクノロジー・アクセラレーターで、すばらしい実績を誇っている。

公募から3カ月で実戦配備

ブレイブ・ワンは4月に「迎撃ドローン」の開発を公募していた。要求した技術仕様はシンプルだった。レーダーなどの外部センサーから目標の位置や速度、方位に関する情報を受け取り、ドローンを発進させ、目標を発見、追尾し、自動で命中させるシステム、というものだ。目標としては具体的に、ロシアのオルラン10、ザラ、スーパーカム各偵察ドローンを挙げた。これらのドローンは高度約1500mを時速95〜160kmほどで飛行する。

既存の防空システムを使えば、こうした偵察ドローンを撃墜するのは難しくない。しかし、たとえばオルラン10は1機10万ドル(約1600万円)程度なのに対して、スティンガー携行地対空ミサイルは1発50万ドル(約8000万円)以上する。こうした防空ミサイルは希少なリソースなので、差し迫った脅威のために取っておかれる傾向にある。

ブレイブ・ワンも「防空装備品を浪費せず、これらのドローンを撃ち落とす解決策を見いだす必要がある」と公募要領に記していた。

そして早くも6月には、FPVドローンがザラを上空で迎撃する動画がウクライナ国境警備隊によって公開された。

単発的な事例ではない

ドローン対ドローンの史上初のドッグファイト(格闘戦)は2022年10月に確認され、以来、ウクライナの戦場ではいくつも起こっている。大半は偶発的な遭遇だったとみられる。ロシア軍は、ウクライナ軍のバーバ・ヤハ夜間爆撃ドローンを撃墜するためにFPVドローンを使い始めている。しかし、大型で、低高度を低速で飛行するバーバ・ヤハと違い、高高度を高速で飛行する偵察ドローンを迎撃するには、はるかに綿密な調整と飛行計画が必要になる。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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