ウクライナはたとえば、自国で開発した長距離攻撃ドローン(無人機)でならこうした基地を攻撃できる。しかし、国境から150kmほどのロシア南部のボロネジ・マリシェボ航空基地などに駐機しているスホーイ群を一網打尽にするには、軽量級のドローンでは火力が足りない。
ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトは、ATACMSなどの弾道ミサイルを狙いすまして数発撃ち込めば、ボロネジ・マリシェボ航空基地に配備されている爆撃用の「作戦機全体を無力化できるかもしれない」と言及している。ただし、それは「こうした攻撃が許可された場合」に限られる。
ウクライナはもし韓国から弾道ミサイルを入手できても、米国の場合と同様にロシア領内に対する攻撃は認められないかもしれない。それでも、韓国製ミサイルを有効に活用できるだろう。ウクライナ領内にもロシア軍の貴重な目標は多数あり、それらは格好のターゲットになるはずだからだ。
あらためて確認しておけば、韓国はウクライナとの間で北朝鮮とロシアのような「同盟」関係を結んではいない。現時点で、韓国からウクライナへの玄武-2Bの供与はあくまで可能性の話にとどまる。
とはいえ、北朝鮮からロシアへの銃弾や砲弾、ミサイルの譲渡や売却が増えるほど、韓国がウクライナに玄武-2Bを供与する可能性は高まるだろう。ノルウェーのオスロ大学の核問題研究プログラム「オスロ核プロジェクト」(ONP)の研究員、ファビアン・ホフマンは、玄武-2Bは「北朝鮮の性悪ないとこがウクライナに出ていっているのに、なぜ自分は家にいなくてはいけないのかと不公平に感じている」のではと投稿している。
(forbes.com 原文)