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2024.06.10 12:30

AI検索スタートアップ、新機能で他社のニュースコンテンツを直接盗用か

2024年4月18日、ワシントンD.C.で開催されたイベントでのPerplexityのアラヴィンド・スリニヴァスCEO(右側。Getty Images)

AIを利用した検索スタートアップのPerplexityは、特定のトピックに関するコンテンツをキュレーションできる新たな機能、「Perplexity Pages」を通じて、ジャーナリストの仕事を盗んでいるようだ。

Perplexityのチームがそのプラットフォーム上で「キュレーション」した複数の投稿は、フォーブス、CNBC、ブルームバーグなどの複数の出版物のオリジナル記事ととても似ている。これらの投稿はすでに数万回の閲覧数を集めているが、記事本文中では元記事の名前は言及されていない。唯一の引用として、小さくて見逃しやすいロゴが、元の記事にリンクしているだけだ。

たとえば、エリック・シュミットの極秘ドローンプロジェクトに関するフォーブスの独占報道をPerplexityが集約したものには、カスタムイラストレーションを含む、盗用されたと思われるいくつかの断片が含まれている。フォーブスは、ここ数カ月間、元グーグルCEOであるシュミットがAI誘導ドローンの開発を秘密裏に進めていることについて、独自の情報を元に一連の記事を掲載してきた。そして今週は、シュミットがスペースX、アップル、グーグルから人材を引き抜き、裕福なシリコンバレーの町メンロパークでドローンのテストを行っていると報じている。

投稿の一部にはほぼ同じ文言が使われており、フォーブスが最初に報じた詳細が含まれている。引用を示す唯一の印は、ほとんど識別不可能なフォーブスの小さなロゴだ。さらに、Perplexityがまとめた記事には、フォーブスのデザインチームが作成した画像が含まれており、Perplexityによってわずかに修正されているようだ。このPerplexityのまとめブログは「発見」タブのトップ項目であり、1万7000回以上の閲覧数を誇っている(編集注:翻訳時には約2万2000回)。

イーロン・マスクがテスラよりもxAIにチップを優先的にまわしていることに関する、2万回以上の閲覧数を集めたPerplexityの投稿は、もともとCNBCの独占記事だったが、投稿ではCNBCは名指しされておらず、小さな円形のアイコンで示された4つのメディアの1つに過ぎない。
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翻訳=酒匂寛

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