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2024.06.23 12:30

スモール・ジャイアンツ イノベーターに聞く「これからブレイクするヒト・モノ・コト」

中部

秋田県五城目町に「ネオ集落」誕生


「ネオ集落」構築の実例として秋田県五城目町に「森山ビレッジ」が誕生。地元の木材を伐り出し、デジタルファブリケーションで建築し、5棟の住宅を屋根でつないだ秋田の伝統的な農家家屋。分割所有し、オーナーは宿泊施設として貸し出せる。宿泊施設が少ない地方都市の新たな交流の場となり、コミュニティも生まれている。
藤田 豪|MTG Ventures代表取締役

ビジネスシーンでの「焚き火」ラウンドテーブル


ビジネスシーンにおける「身体性の復活」が注目されている。その手段として「焚き火」がブレイクすると思う。「焚き火(タキビ・ラウンドテーブル)」では、脳で意識化されたものが浄化され、リアルに心理的安全性を体感できる。アトツギ×スタートアップ共創基地TAKIBI & Co.でも、企業の枠を超えた共創事例が生まれている。
岩田真吾|三星グループ代表

ESG投資の広がりで「エシカル消費」を後押し

気候変動と生物の多様性の危機が深刻化する現代において、企業と消費者が共に問題解決に取り組む中で、重要なのが「エシカル消費」だ。今後は企業が及ぼす環境への影響や社会的責任、統治体制などのESG投資や、企業や金融機関に対して自然関連の財務情報開示の義務化などが、この動きを強力に後押しすると考える。
林 篤志|Next Commons Labファウンダー/paramita 共同代表

LLM(大規模言語モデル)対応プライバシーテック

生成AIの普及により、LLMの進化が目覚ましい。課題はプライバシー保護とセキュリティ。日本ではこの技術を保有する企業が少ないなか、プライバシーテック領域の名古屋大学発スタートアップ「Acompany」は、複雑な規制対応を必要とするデータクリーンルームを構築し、ビジネスインパクトの最大化を支援する。
粟生万琴|LEO 代表取締役/Acompany社外取締役

移住者や転職者も生む地域とデザインの学校


「LIVE DESIGN School」は、2023年開校の地域とデザインの学校。全国から集まった270名の受講生は、各地のデザイナーの元に赴き、仕事に触れ、そこに暮らす人々との交流を通じ、その地の伝統や文化を学ぶ。参加者同士も1年間関わり合うことで密度の高い生態系が形成され、10名以上の移住者や転職者が生まれた。
新山直広|TSUGI代表/クリエイティブディレクター

パーソナライズした体験型フレグランス専門店


京都・東山のフレグランス専門店「LESILLAGE」。香水のセレクトショップではなく、生活習慣や人生観など個性に寄り添ったカウンセリングを受け、ストーリー性の高いハイエンドなニッチフレグランスと出会える。自分だけのお気に入りの香りとの出会いを創出するという、パーソナライズ×体験価値の最先端の事例。
石川貴也|側島製罐代表取締役

多様な人材をまとめるコーディネーター

世の中の課題が複雑化していることや、単一の領域での問題解決はかなり進んでいることから、残された課題の解決にはさまざまな領域の知識の掛け合わせが必要だと感じている。今後は多様な人材をコーディネイトしてひとつのプロダクトを生み出せる人が、社会にある課題の多くを解決していけるのではないかと考えている。
金丸 良|愛知県スタートアップ推進課主査

事業とクリエイティブをつなぐ「翻訳家」

事業やプロジェクトの目標を共有し、最適なクリエイターを巻き込みながら進める案件が増えている。事業とクリエイティブの「翻訳家的なポジション」で、決済者が判断できない部分を補完することが求められる。プロジェクトを伴走支援しながら、クリエイティブ業務のジャッジを行うような役割が、今後も求められるだろう。
堅田佳一|クリエイティブディレクター

介護予防体操の「ごぼう先生」

デイサービスを経営していた簗瀬寛氏が、要支援・要介護になる前の状態を維持するための健康体操プログラムを開発。介護予防のアイドル“カイドル”と呼ばれる簗瀬氏による、要介護高齢者の増加=介護施設の増設ではなく、健康でい続けられる高齢者を増やすためのアプローチに軸足を置いた取り組みが素晴らしい。
秋元祥治|事業創出家
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文=真下智子、フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年6月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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