欧州

2024.06.05 10:00

ウクライナ軍戦闘機、米国製の新たな滑空爆弾を使い始める 数量はロシアにかなわず

GBU-39/B小直径爆弾(SDB)。2019年、イスラエル・ハツェリムにあるイスラエル空軍博物館(Lerner Vadim / Shutterstock.com)

だが問題は、肝心の滑空爆弾自体の数が明らかにロシア側に引けをとっていることだ。フランスがウクライナへの供与を確約しているAASMは月に50発にすぎない。米国もウクライナもJDAM-ERやGBU-39の供与数を公表していないが、米国防総省が2023年初め、米ボーイングと交わしたウクライナ向けJDAM-ERの最初の契約は4100万ドル(約63億円)ほどだった。せいぜい1000個程度の調達だったという計算になる。
advertisement

次の大型契約はそれから1年あまりたった今年5月、シーカー(目標の探知・追尾装置)を改良したJDAM-ERを対象としたものだった。

西側の支援国からウクライナに供与される滑空爆弾は当面、多くても月に200〜300発になる可能性が高い。ウクライナ軍の滑空爆弾使用数はロシア軍の10分の1にとどまりそうだ。

ロシア軍が滑空爆弾攻撃でウクライナ軍を凌駕しているのは、戦闘機や爆撃機の保有数が多いからではない。滑空誘導キットの生産数がウクライナ側の調達数をはるかに上回っているからだ。
advertisement

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事