宇宙

2024.06.06 18:00

銀河系内に60の「高度な地球外文明」が存在する可能性、ダイソン球を利用か

恒星を包み込み、そのエネルギーの大部分を取り込む超巨大構造物「ダイソン球」の想像図(Getty Images)

また、イタリアの高等研究国際大学院(SISSA)が3月に発表した別の論文では、ガイアなどのサーベイ観測データを組み合わせて作成した恒星約490万個のリストを探索し、過剰な赤外線を放射している53個の候補星を特定した。このうちの大半は、誕生から時間を経た恒星で、周囲に原始惑星系円盤はない可能性が高い。

これは何を意味するか?

極めて推論的ではあるが、もし本当にダイソン球やダイソン群(スウォーム、恒星を取り巻く多数の衛星の集合体)がこれらの星の周囲に存在するとすれば、これはタイプ2の「恒星」文明の証拠と見なすことができるかもしれない。
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旧ソ連の天文学者ニコライ・カルダシェフは1964年、3種類の文明を定義した。

・タイプ1の「惑星文明」は、惑星とその主星から得られる、あらゆる主要な形態のエネルギーを利用する。人類文明は、まだこの段階にも達していない。2021年に発表された論文では、人類文明が(その前に絶滅しないならば)タイプ1に到達するのは2347年と予測している一方、NASAの科学者らは2371年と見ている

・タイプ2の「恒星文明」は、ダイソン球のような手段を用いて、主星から得られる全エネルギーを利用し、貯蔵する。タイプ2の文明は、タイプ1より100億倍(10桁)も多くの電力を消費する可能性がある
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・タイプ3の「銀河」文明は、銀河全体が生み出すエネルギーの大半を利用し、制御する

今回の研究は、地球外文明探査における初期段階の取り組みであり、基本的には、ガイア衛星によってすでに収集されている公開データから始めて、数千億個の星からなる銀河の中で天文学者らが着手できるテクノシグネチャー探索のアプローチの精緻化を試みている。
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人類より進んだ地球外文明のエネルギー源「ダイソン球」探査の恩恵

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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