ヘルスケア

2024.05.23 19:00

「超加工食品」摂取、脳卒中と認知機能低下に関連か

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ポテトチップスや炭酸飲料、ホットドッグなどの「超加工食品」を摂取することで、脳卒中や認知機能低下のリスクが高まる可能性があるとの研究結果が22日、学術誌ニューロロジーで発表された

研究チームは、45歳以上の参加者3万人以上を平均11年間追跡。認知機能低下の研究に1万4175人、脳卒中の研究に2万243人を選んだ。どちらのグループも、以前これらの疾患にかかっていた経験はなかった。参加者のうち、研究期間の終わりまでに768人が認知機能障害と診断され、1108人が脳卒中を発症した。

超加工食品を10%多く摂取した参加者は、認知機能障害を発症するリスクが16%増加。一方で非加工食品やホールフード(加工や精製を最小限に抑えた食材)を多く摂取した参加者は、リスクが12%低下した。

超加工食品の摂取量が多い人の脳卒中リスクは8%高かった一方、非加工食品の摂取量が多い人の脳卒中リスクは9%低かった。最もリスクが高い人種は黒人で、超加工食品を多く食べた人の脳卒中リスクは15%上昇した。

超加工食品とは?

ハーバード大学医学部によると、加工食品は食材に塩、砂糖、油などを加えて自然の状態から変化させたもの。超加工食品は通常、食材から抽出された脂肪や砂糖、デンプンなどの物質を原料に、成形や押し出しなどの多くの工程を経て作られ、多くの添加物を含む。

超加工食品の例には、炭酸飲料やポテトチップス、キャンディー、市販のアイスクリーム、ホットドッグ、シリアル、フライドポテト、缶スープなどがある。一方の加工食品は、手が加えられているものの、必ずしも健康に害を及ぼすわけではないという点で異なる。包装されたパン、チーズ、豆の缶詰、豆腐、ツナ缶はいずれも加工食品だ。非加工食品とは、添加物を最小限に抑えたホールフードのことで、果物や野菜、牛乳、肉、ナッツ、全粒穀物、卵などが含まれる。

学術誌BMJで2020年に発表された研究結果によると、超加工食品は米国人が摂取する総カロリーの約58%、添加糖から摂取するエネルギーの約90%を占めている。超加工食品はこれまでの研究で、糖尿病、うつ病、死亡などのリスクが高まる可能性も示されている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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