「AI対応」を強く打ち出すiPad
アップルは今回発表した新しいiPad ProとiPad Airが「AI機能にも優れたiPad」であることをウェブサイトの製品紹介、またはプレスリリースの中でより強く押し出している。オンライン開催の基調講演に登壇したティム・クックCEOも「AI」という言葉を口にしている。アップルには「機械学習=マシンラーニング」、またはAIという言葉がトレンドワードになる以前から、それぞれをプロダクトやサービスの中でいち早く実現してきた実績と自負がある。翻ればそれは2015年ローンチのiOS 9からしばらくの間、iOSに搭載されていたユーザーの「やりたいこと」をデバイスが先読みしながらサポートする「Proactive Assistant」にも源流がある。
2017年発売のiPhone X、iPhone 8シリーズに搭載された「Apple A11 Bionic」チップから機械学習処理に特化する「Neural Engine」も採用が始まり、アップルがハードウェアのAI対応にも先鞭をつけた。現在ではマイクロソフトのWindows陣営がAI処理に特化するNPU(Neural Processing Unit)を採用する「AI PC」を積極的に売り込んでいる。
アップルはMacがライバルの先を行くAI PCであり、現在最高のNeural Engineを組み込むM4チップ搭載のiPad Proがライバルのマシンを凌ぐ「最強のAI PC」でもあることを、今回のスペシャルイベントでまた一段と強く印象付けた。6月に開催が迫るアップルの世界開発者会議「WWDC24」では、iPadOSのAIに関連する革新的な発表が行われるかもしれない。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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