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2024.04.26

米国でのiPhoneの新規販売シェアは33%、「6年間で最低」に

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調査会社CIRP(Consumer Intelligence Research Partners)の発表によると、米国におけて新たにアクティベーションされたスマートフォンに占めるアップルのシェアは、ここ6年間で最低を記録した。アップルは現在、新規販売台数の33%しか獲得しておらず、この割合は2018年以降で最低という。

「過去4四半期で、iPhoneのシェアは40%から33%に低下した」とCIRPのアナリストは述べている。iPhoneは、2023年初頭から半ばにかけて、米国における全スマートフォンのアクティベーションの40%という高いシェアを占めていたが、年末には36%まで低下し、2024年初頭には33%にまで落ち込んだという。

「アップルのiPhoneは高品質で長持ちしすぎる。価格が上がると同時に、その耐久性も上がった」とCIRPのアナリストは述べている。

アップルの端末は、平均的なAndroid端末よりも長持ちする傾向があり、ユーザーの使用年数は年々伸びている。CIRPのデータによれば、昨年は、ユーザーの34%が3年前の端末からアップグレードしていたが、2019年に3年前の端末から買い替えたユーザーは26%だった。つまり、端末価格が上昇する中で、買い替えサイクルが長くなっている。

CIRPのデータが示唆するように、アップルのシェアが過去6年間で最低に落ち込んだことは、明らかな変化であり、憂慮すべき事態だ。CIRPは、その理由の1つにアップルの技術革新のペースが落ちたことをを挙げている。「機能の急速なエスカレーション」が鈍化していると同社のアナリストは述べている。

アップルは、iPhoneのアップグレードプログラムを用いてこの状況に対抗しようとしている。このプログラムは基本的に、毎年最新のiPhoneを手に入れるためのサブスクリプションプランだが、その費用は標準モデルで月額40ドル、1テラバイトのストレージを搭載したiPhone 15 Pro Maxの場合は月額約75ドルと、決して安くはない。

結局のところ、スマートフォンの価格がコンピュータと同等かそれ以上になった今、アップグレードのサイクルは今後も長くなるかもしれない。

CIRPは、「2年間の補助金付きの購入契約から、より透明性の高い購入プランへの移行が進むことで、多くのスマートフォン所有者がアップグレードの時期を先に延ばすことになる」と述べている。「このトレンドは、アップルの売上
競合他社のAndroid端末による打撃以上の影響を与えることになりそうだ」とCIRPは指摘した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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