心理学者が教える関係性を回復させる4つの「謝罪の言葉」

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ささいな口論から、重大な決裂まで、人間関係には対立がつきものだ。このような対立にどう対処するかは、しばしば関係の健全性を測るリトマス試験紙となり、その関係がいつまで続くかを占う予測因子にすらなる。

「本物の謝罪」は和解の触媒として働き、個人の理解と成長を促す。逆に言えば、心からの謝罪がなければ、信頼が損なわれ、対立はエスカレートし、関係を根底から揺るがすことになる。

著名な作家であり、人間関係の専門家であるゲーリー・チャップマンは、自身が提唱する「愛を伝える5つの言葉」の応用編として、謝罪の気持ちを表現して許しを請うための5つの言葉があると考えている。

互いの「謝意を伝える言葉」を認識して受け入れることで、誤解を未然に防ぎ、スムーズに対立を解決し、感情リテラシーとコミュニケーション能力を高めることができる。以下では、対立を乗り越える助けになる、4つの謝罪の言葉を紹介しよう。

1. 後悔を表現する

後悔を表現することは、心からの謝罪の基本であり、真の和解の第一歩となる。自分がもたらした痛みに対する本物の後悔とともに謝罪を口にするという、単純だが深い行為だ。

「謝意を伝える言葉」の中心に「後悔の表現」がある個人にとって、直接的な謝罪がなければ、傷は癒えず、感情が無視されたままになりかねない。この「謝意を伝える言葉」を実践するには、自分の過ちを素直に認めるだけでなく、相手への共感を示さなければならない。

ある研究では、「後悔は嫌悪感につながる」という概念に疑問を投げ掛け、後悔が持つ奥深い恩恵を明らかにしている。後悔は、過去の体験を理解し、自分の行動や動機を見直し、最終的に、社会の調和を保つツールとして機能するというのだ。

2. 責任を負う

責任を負うことは、単に過ちを認めることではない。言い訳や責任逃れをすることなく、自分の行動を完全に受け入れることだ。この「謝意を伝える言葉」を使いこなす人は、結果に対する責任や誠実さを優先しており、自分の過ちを率直に認めて初めて真の和解が実現する、ということを認識している。

そのような人は、謝罪するとき、自分の過失を認めるだけでなく、改善を約束し、罪を償おうとする。この「謝意を伝える言葉」を育むには、謙虚さが必要だ。「自分ではない要因に責任転嫁したい」という衝動を抑えなければならない。

責任を負うには、自分への慈しみ(セルフ・コンパッション)が極めて重要な役割を果たすという研究結果がある。自分への慈しみから、受容の連鎖が始まる。まずは自分自身の不完全さを認めることで、他者の不完全さを受け入れることができるようになるのだ。
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翻訳=ガリレオ

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