2024.03.27 13:00

【試乗記】BMW iX2は「後席や荷室を犠牲にしないクーペSUV」の電気自動車

改善されたインフォテインメントとテクノロジー

BMWは最新世代のモデルでコアテクノロジーを改善するために多大な労力を費やした。iX2には最新のBMW OS 9(BMWオペレーティングシステム9)が搭載されており、ドライバーの前方を取り囲むように配置された「カーブドディスプレイ」に、車両の情報やナビゲーション、インフォテインメントなどを表示する。このカーブドディスプレイは、実際には10.25インチのデジタル計器パネルと、音楽・動画コンテンツや衛星ナビゲーションの画面を表示する10.7インチディスプレイという2つの独立した液晶スクリーンを合わせたものだ。

このシステムは、旧型よりも能率的で使いやすく、OTA(無線通信による)アップデートも可能だ。衛星ナビは、充電に最適化されたルートも計算できるようになった。筆者が試乗したiX2は「BMWライブ・コクピット・プロフェッショナル」を含む「テック・パッケージ・プラス」装着車で、カメラで捉えた映像で曲がり角を示したり、フロントガラスの向こうに見える道路に重ねて矢印を表示するHUD(ヘッドアップディスプレイ)が装備されていたので、曲がるところをしっかりと確認できる。そのおかげで、試乗中に隠れた脇道を見逃さずにすんだ。

2つのスクリーンを組み合わせた「カーブド・ディスプレイ」を装備(画像:BMW)

2つのスクリーンを組み合わせた「カーブド・ディスプレイ」を装備(BMW)

i5から搭載された注目の機能は、車載インフォテインメントスクリーンで、自分のスマートフォンを使ったゲームがプレイできることだ(将来的にはワイヤレスコントローラーも使用できるようになる)。動画のストリーミング再生にも対応している。この画面は、テスラの「モデル3」や「モデルY」に搭載されている15インチほど大きくはないが、充電中に駐車している時や、子どもを待っている間に車内で楽しむ分には十分だ。

安全機能や運転支援機能は揃っているが、レベル2の自動運転を求めるのであれば、オプションの「ドライビング・アシスタント・プラス」を追加する必要がある。これは加速・減速に加えて操舵や車線変更もシステムがアシストしてくれる。さらにオプションの「ドライビング・アシスタント・プロフェッショナル」を選ぶと最高210km/hの速度まで対応し、高速道路で目的の出口が近づくと車線変更も自動的に行う。
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翻訳=日下部博一

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