2024.03.27

【試乗記】BMW iX2は「後席や荷室を犠牲にしないクーペSUV」の電気自動車

BMW iX2はスポーティなコンパクトSUVのX2シリーズに追加されたEV版(BMW)

SUVの「S」は「スポーツ」を意味するはずだが、このカテゴリーに属するクルマの多くは特にスポーティというわけではない。これに対処し、BMWは小型SUVセグメントにもう少しスリルを加えようと、2018年に発表した初代「X2」に、一般的なSUVより低いルーフと、標準的なクルマに近いダイナミクスを与えた。その最新世代モデルでは、電気自動車(EV)バージョンの「iX2」を追加し、さらにダイナミックな一歩を踏み出した。筆者は英国の発表会でその走りを確認した。

先代モデルのX2は、BMWの最小SUVだった「X1」の全高を低くしただけのクルマのように見えたが、二代目となる新型X2のデザインは、先にデビューした現行型X1(こちらは三代目にあたる)から、より大胆な差異化が図られている。最近の「クーペSUV」の流行からいくつかの要素を取り入れつつも、ありがたいことに後部座席と荷室は十分な空間が確保されている。横から見ると、後部ドアのウエストラインが後端でわずかに跳ね上がっているため、ルーフの傾斜が強調されているが、実は見た目の印象ほど下がっているわけではないのだ。

ルーフ後方は見た目ほど下がっているわけではない(画像:BMW)

ルーフ後方は見た目の印象ほど下がっているわけではない(BMW)

フロントも最近のトレンドに則り、エッジの立った鋭角的なスタイリングが採用されており、バンパーの下端はまるでスプリッターが装着されているように見える。しかし、BMWの特徴的な「キドニーグリル」は、同社の最新EVモデルである「iX」や「i4」とは異なり、ノーズ全体を支配するほどではない。最近のBMW車ではグリルの拡大が始末に負えなくなっているので、これは間違いなく朗報だ。BMWのもう1つのEVである「i5」も同様に控えめなフロントグリルを採用しており、それによって全体がより好ましく見える。新型X2のデザインは、すべてのクーペSUVが不可避な「少し背が高すぎる」感はあるものの、全体的にスポーティな外観を達成している。
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翻訳=日下部博一

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