2024.03.27 13:00

【試乗記】BMW iX2は「後席や荷室を犠牲にしないクーペSUV」の電気自動車

DC充電の仕様もまずまずだが特に優れているというわけでもない。iX2は最大130kWの急速充電に対応しており、バッテリー残量10%から80%まで29分間で充電できる。自宅などで使用するAC充電は11kWが標準だが、オプションで22kWにも対応させることができる。幸いにも11kWのAC充電器が利用できる環境にある人なら、バッテリー残量ゼロから100%まで6時間半で充電できる。さらに22kWなら4時間以下に短縮される。7kWの家庭用充電器だと10時間を超えるだろう。

内装と荷室

BMWは間違いなく「インテリアが最も優れたドイツ車」競争でメルセデス・ベンツを追い越している。iX2は最高にラグジュアリーなiX7にまったく遜色ないわけではなく、iXやi5と比べても、いくつか受け継いだ点はあるものの、わずかに及ばない。しかし、美しい表皮が張られた快適なフロントシートに加え、堅牢で質感の高い内装やスイッチ類など、車内の体験がすばらしいことに変わりはない。

2人の大人が座っても十分以上の空間がある後部座席(画像:BMW)

2人の大人が座っても十分以上の空間がある後部座席(BMW)

後部座席は、2人の大人が座っても十分以上の空間があるが、中央に3人目が座ろうとすると、やや窮屈な思いをしなければならなくなる。頭上や膝まわりの空間もゆとりがある。クーペ型SUVの中には、スタイルのために頭上の空間を犠牲にしたものもあるが、BMWはこのiX2でそんな愚行をせず、後部座席の乗員のために快適な室内空間を作り上げた。後部座席用の送風口やUSB Cポートも用意されているが、後部座席から空調を直接操作することはできない。

荷室はクーペ風に後傾した車体後部のスタイリングによる妥協を強いられていない(画像:BMW)荷室はクーペ風に後傾した車体後部のスタイリングによる妥協を強いられていない(BMW)

傾斜した車体後部のスタイリングによる妥協を強いられていないことが明らかなもう1つの空間は荷室だ。荷室容量はiX1と比べてもそれほど大きな差がなく、後部座席を立てた状態で525リットル、後部座席を倒せば1400リットルとなる。後部座席は4:2:4の分割可倒式で、長尺物を積む場合は、後部座席に2人の乗員を座らせたまま、中央のみを倒すこともできる。iX2は、ブレーキ有り1200kgというかなりの大きさのトレーラーまで牽引できるが、キャンピングカーを牽引したいなら大きさは限られる。
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翻訳=日下部博一

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