欧州

2024.03.22 10:30

ウクライナ、スペインからレオパルト2戦車を20両追加取得へ 問題は納期

ポーランド軍のレオパルト2A4戦車。2007年、ワルシャワで(Dariusz Majgier / Shutterstock.com)

レオパルト2A4のほうはすでに退役していて、スペイン北東部サラゴサ県にあるカセタス兵站センターにすべて保管されている。スペインメディアによると、2023年初め時点で53両が使用可能だったが、うち33両はサンタ・バルバラ・システマスのセビージャ(セビリア)工場で大幅な修理が必要だったという。
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「良好な状態」(地元メディア)だったとされる20両のレオパルト2A4のうち、10両がまずウクライナに送られた。新たに供与されるのは残り10両と、大幅な修理が必要だったとされる分のうち10両とみられる。

スペインがレオパルト2を修理するのに1年もかかったというのは嘆かわしい話だが、かといって驚くべきことでもない。技術者たちが古い戦車をどれだけ早く修復できるかは、もっぱら補修部品の入手しやすさにかかっており、ウクライナ軍が用いている老朽化したレオパルト2の場合、部品の入手は非常に難しくなっているからだ。

ウクライナは40両のレオパルト2A4のほかに、より新しいモデルであるレオパルト2A6戦車を21両、スウェーデン版のレオパルト2A5であるStrv(ストリッツヴァグン)122戦車を10両無償供与されている。これらの戦車のうち、少なくとも14両が撃破され、ほか22両が遺棄されたが、後者の多くはその後回収され、修理のためポーランドやリトアニアに送られている。
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しかし、その修理もやはり何カ月もかかる。その結果、前線のウクライナ軍部隊は戦車が不足している。ドイツのテレビ局n-tvのクルーが今年1月、ウクライナ軍のレオパルト2A6小隊を現地取材した時、この小隊が運用する戦車4両のうち戦闘可能なものは1両しかなかった

戦車の部品は、前線でも後方の修理拠点でも不足しているということだ。もっとも、1991年のソ連崩壊以来、ドイツの軍事力が衰退してきたさまをつぶさに観察してきた人にとっては、驚くようなことではないだろう。

世界で使われているレオパルト2とその部品の大半はドイツのラインメタルとクラウス・マッファイヴェークマンの2社が製造しているが、十分な部品を供給できない状態がずっと続いている。ドイツとオランダが共同でウクライナに追加供与する14両のレオパルト2のうち、最初の2両のオーバーホールに9カ月もかかったのも、部品不足が原因だ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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