欧州

2024.03.08 10:30

群れでロシア艦艇を追い立て仕留める ウクライナ無人艇の恐るべき「群狼戦術」

Getty Images

ツェーザリ・クニコフの乗組員の証言として伝えられるところによれば、クリミア南部沖で2月14日にあったこの攻撃では、水上ドローンはツェーザリ・クニコフを追い立てたりはせず、艦体の片側に集中的な攻撃を仕掛けた。「戦闘は20分続いた」とこの乗組員は振り返っている
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「水上ドローン10隻のうち4隻は破壊された。だが5隻目がツェーザリ・クニコフの艦尾に直撃し、艦は動けなくなった。それから6隻目、7隻目、8隻目、9隻目の水上ドローンが、艦の転覆を狙って左側の中央部や船尾近くに順次直撃した」

「9隻目の水上ドローンは前のドローンが開けた穴に一部入り込み、ほぼ(艦体の)内部で爆発した」という。10隻目の水上ドローンは、襲撃を監視するため離れたところにとどまっていた。このドローンは最後に、ツェーザリ・クニコフの生存者の救助にあたっていたタグボートに突っ込もうとして失敗したとされる。

ウクライナの水上ドローンは概念実証の段階からだんだん成熟し、非常に有効な海上拒否手段へと進化してきているので、これらの説明もウクライナ側の戦術を捉えきれていないかもしれない。
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いずれにせよ、ウクライナ側は2022年2月以来、ロシア海軍の揚陸艦4隻、巡洋艦1隻、潜水艦1隻、補給艦1隻、哨戒艇・上陸用舟艇数隻、ミサイルコルベット2隻を爆破したり撃沈したりしている。

うち3隻の撃沈は水上ドローンによるこの2カ月ほどの戦果だ。群れになって襲いかかり、爆発する水上ドローンは目下、黒海艦隊にとって最大の脅威になっている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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