ウクライナの水上ドローンのどこが危険なのかも徐々に明らかになりつつある。衛星を介して制御される水上ドローンは、ロシア艦艇の停泊地に単独または少数のグループで侵入を試みているのではなく、ちょうど第二次大戦中にドイツ海軍の潜水艦(Uボート)隊がしたように、夜間、狼のように群れを成して敵艦に襲いかかっているのだ。
ただ、ドイツ海軍による「群狼(ウルフパック)戦術」とは少し違う点もある。Uボートは確かに何隻かで群れになって移動していたが、攻撃は各艦の艦長が目標や方法を選んで個別に行っていた。それに対して、ウクライナの水上ドローンの操縦士たちは攻撃自体も緊密に連携して実施しているとみられる。ロシア艦艇にスウォーム(群)攻撃を仕掛けたり、さらには追い立てたりもしているらしい。
こうした連携戦術は、満載排水量1700t超のセルゲイ・コトフに対する攻撃でもまざまざと示された。6隻ほどと思われる水上ドローンは夜の闇に紛れてこのコルベットを襲った。セルゲイ・コトフの乗組員は最初、艦尾の方向から水上ドローンが接近してくるのに気づいて、機関銃を射撃している。
🔥🔥🔥 Attack by sea drones on the patrol ship "Sergey Kotov" on the night of March 5
— MAKS 23 🇺🇦👀 (@Maks_NAFO_FELLA) March 6, 2024
👀 The video was filmed from the deck of one of the cargo ships in the Kerch Strait. pic.twitter.com/WIRdNwBcFx
左舷側に寄ってきたこれらの水上ドローンは、実際は攻撃しなかったようだ。代わりに、セルゲイ・コトフをクリミア南東部フェオドシヤのすぐ沖合に追い立てている。すると、そこにはまた別の水上ドローングループが待ち構えていた。そして、このグループがセルゲイ・コトフを攻撃したようだ。
ウクライナの水上ドローンは前回、黒海艦隊の艦艇を攻撃したときにも似たような戦術を用いている。目標は満載排水量約4100tの揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」だった。