欧州

2024.03.06 09:30

ウクライナ、無人艇でロシア黒海艦隊の哨戒艦撃沈 月1の「恒例行事」に

撃沈が報告されたロシア黒海艦隊の哨戒艦「セルゲイ・コトフ」と同じ22160型の「ワシリー・ブイコフ」。2018年7月、ロシア南部ノボロシスクで(colorist / Shutterstock.com)

撃沈が報告されたロシア黒海艦隊の哨戒艦「セルゲイ・コトフ」と同じ22160型の「ワシリー・ブイコフ」。2018年7月、ロシア南部ノボロシスクで(colorist / Shutterstock.com)

ウクライナの水上ドローン(無人艇)が4日から5日にかけての夜、ロシア海軍黒海艦隊のミサイルコルベット「セルゲイ・コトフ」を撃沈したと報告されている

全長94m、満載排水量1700t超の22160型哨戒艦であるセルゲイ・コトフは、ロシアの支配下にあるウクライナ南部クリミア南東部フェオドシヤ沖で沈没したと伝えられる。撃沈が確認されれば、ロシアがウクライナで拡大して3年目に入る戦争で、黒海艦隊の艦艇の損失がまた1隻増えたことになる。

2022年2月の戦争拡大以来、ウクライナ側はロシア側のミサイルコルベット2隻のほか、揚陸艦4隻、巡洋艦1隻、潜水艦1隻、補給艦1隻、哨戒艇・上陸用舟艇数隻を爆破もしくは撃沈している。ミサイルコルベットは先月、やはり無人艇による攻撃で「イワノベツ」を撃沈していた。

黒海艦隊はおよそ4分の1を破壊されたことになる。ロシア海軍は、ウクライナ側のロケット弾や巡航ミサイル、無人艇によって合計約1万7000トン分の艦艇を失った。昨年新造した約1万8000トン分がほぼ帳消しになった格好だ。

定員80人の22160型哨戒艦は黒海艦隊専用で、ロシア海軍は計6隻建造する計画となっている。ウクライナ側はここ数カ月、すでに就役している4隻の撃沈を試みてきた。

セルゲイ・コトフは昨年9月に、爆薬を積んだ全長5.5mのマグラV5無人艇を撃退したと報じられていた。1カ月後、姉妹艦の「パーベル・デルジャビン」がマグラV5の攻撃でかすり傷を負った。そして今回、セルゲイ・コトフが再びウクライナ側の無人艇(編集注:ウクライナ軍参謀本部の発表によると、ウクライナ国防省情報総局による今回の攻撃でもマグラV5が使用された)に狙われ、ついに撃沈された。

他国の海軍ならこのくらいの損失を埋め合わせることもできるかもしれない。だが、ロシアの造船部門はソ連の終焉とともに崩壊した。細々と続いている同部門は船舶用エンジンをウクライナからの輸入に頼ってきたが、あえていうまでもない理由からそれはもう期待できない。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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