サイエンス

2024.03.09 16:00

カップルの関係を壊しかねない、3つの「けんかの作法」と回避策

2. 感情を抑え込んだ末に爆発する

要は、カップルの一方が感情やわだかまりを抑え込んだ末、限界に達して爆発するようにすべてをぶちまけてしまうことだ。こうしたパターンでは、2人の間に緊張感が漂い、先が読めない雰囲気を生み出すため関係性を損ねる恐れがある。

感情を抑制した末の爆発はたいてい、自分の気持ちをわかってもらえない、認めてもらえないと感じているときに起こる。感情を抑え込むのは、対立を避けたい、2人の関係を維持したいと思ってのことかもしれない。しかし、そうやって抑え込んでいるうちに葛藤や鬱憤が溜まっていき、しまいには一気に爆発してしまうかもしれない。

感情を抑え込んでも、長い目で見れば何の役にも立たず、それどころか時間が経つにつれてマイナスの感情が膨らんでいきかねないことが研究で明らかにされている。こうしたパターンは、対立を乗り越えて解消していく際に障害となるので、早期に見極めることが極めて重要だ。

感情の抑制と爆発が起きないようにするには、カップルが信頼し合い、支え合える雰囲気づくりに努め、それぞれが自分の感情を安心して表に出せるようにすべきだ。それには互いの気持ちを頻繁に確認し合い、率直なコミュニケーションを図る必要がある。

健全かつ建設的なかたちで感情を表現するよう、互いに働きかけよう。そうすれば、抑え込まれた感情が膨らんで関係を破壊しかねない怒りの爆発につながることはないだろう。

3. 攻撃的な対立

敵意に満ち、対決的なコミュニケーションスタイルを指す。たとえば、怒鳴ったり、相手を中傷したり、個人攻撃をしたりすることだ。こうした姿勢は信頼をむしばみ、敵対的な雰囲気を生み出すため特に有害だ。

意見が対立したときに攻撃的になるのは、自分の考えをうまく伝えられないか、または、未解決の問題が背後にある場合が多い。あるいは、鬱積した不満や怒りが否定的で破壊的な振る舞いとなって表れることもある。しかし、攻撃的な態度は対立を悪化させ、2人の関係にいっそうダメージを与えるだけだということを肝に銘じなくてはならない。

攻撃的にならないためには、双方が健全なコミュニケーションスキルを育み、自分の気持ちを建設的に表現するよう努力すべきだ。これは相手の話に積極的に耳を傾ける「アクティブリスニング」によって達成できる。つまり、話を遮ったり反論したりせず、パートナーが自分の考えや視点を述べられるようにすることだ。こうしたアプローチは、お互いを尊重し、建設的な姿勢で対立に対処し、問題を解決していこうという意欲を育てる。

対立が起きたときに、攻撃的になるなどの破壊的な姿勢を抑えるよう取り組むことで、カップルはより健全で充実した関係を築ける。そのためには、双方が真剣に努力することが必要だ。しかし、コミュニケーションと相互理解が深まることから生まれるメリットは、間違いなく努力に値するものとなる。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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