「幸福な夫婦関係」を育むために 心理学者の研究でわかった5つの法則

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結婚しているカップルが社交の場で話す、自分たちの結婚生活に関するエピソードを検証する新たな研究論文が、学術誌『Marriage and Family Review』に掲載された。既婚者51人への面談をもとにしたこの調査で、カップルは、こうした状況では結婚生活のプラス面を語ることが多い、と研究チームは結論づけている。

「エピソードを語る時、私たちは、個人あるいはカップルとして、自分の人となりをわかってもらえるような話をしたいと思うものだ。こうした状況でエピソードを語る行為は、いわば印象操作の手段であり、他の人から見た自分たちの印象を形作るプロセスだ。自分自身や配偶者との関係をよく見せるようなエピソードを披露するのは、その点で理にかなった選択と言えるだろう」。今回の研究論文の共著者で、ノースダコタ州にあるメアリー大学のコミュニケーション学部に属するエイミー・デュークシェアラーはそう解説する。

デュークシェアラーをはじめとする研究チームは、こうしたカップルが披露するエピソードで語られる結婚生活のプラス面から、より幸せで満足度の高い配偶者との関係を育むために必要な知恵がわかるとしている。

それでは、この研究に協力したカップルが明かした、良好な夫婦関係の特徴となる5つのポイントについて、以下に説明していこう。

1. ポジティブな体験を共有する

この研究では、調査に参加した既婚者の語るエピソードでいちばん多いテーマが、配偶者と共に味わった、ポジティブで喜ばしい体験であることが判明した。カップルは他人の前では、2人の距離をさらに縮める行動について話すことが多かった。

「ポジティブな体験とは、日々の夫婦間のやり取りから、特別な休暇旅行のような人生でより大きな意味を持つ体験まで、多岐にわたる。これらの体験の最も重要な側面は、パートナーと共に過ごす時間を投資したという点だ」と、デュークシェアラーは指摘する。

2人で体験を共有することで、自我が広がる感覚が育まれ、これが結婚生活の質を向上させる、と指摘する別の研究も発表されている。さらに、こうした体験に関するエピソードを夫婦以外の人と共有することで、夫婦の絆はさらに強くなるという。 

この研究では、こうした体験の例として、一緒にゲームをする、共に食事を楽しむ、といった日々の行動のほか、共通の友人と親交を深めたり、個人的な交流を大切にすることや、お互いにつながりが感じられる瞬間をもつことなどが報告されている。

2. お互いから学ぶ

既婚のカップルは、お互いに教えあい、学びあうこともしている。

「学ぶ側には知識を得られるというメリットがあるが、教える側も、配偶者が新たなスキルを身につける、あるいは何らかの形で成功を収めることを後押ししたという、誇らしい感覚を得ることができる」とデュークシェアラーは解説する。

今回の調査の参加者は、人生で成功をつかんだことや、パートナーに何か新しいことを教えた体験にまつわるエピソードを、他の人に披露することで、話した相手とのつながりが生まれ、カップルやその人となり、関心事や人生観についてより知ってもらえる機会が生まれる点を強調している。
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翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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