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2023.12.31 12:00

「カップルの燃え尽き度」を測る10の項目

遠藤宗生

Getty Images

カップルの「燃え尽き(バーンアウト)度」を測るための10項目からなる尺度を考案した論文が、学術誌Social Psychology Quarterlyに掲載された。メンタルヘルス専門家や一般のカップルが、恋愛関係における倦怠感や無関心の解決に役立てることができるものだ。

研究チームよると、燃え尽きとは、精神的・身体的・感情的に消耗した状態だ。その結果、やる気を失ったり、達成感が得られなくなったりしてしまう。燃え尽きはしばしば、感情的な負担の大きい仕事を「やりすぎて」しまうことで起きる。

燃え尽きは一般的に、仕事が原因で起きるものとみられているが、恋愛関係にあるカップルでも、燃え尽きる場合があることが、これまでの研究で示されている。ストレスに満ちた長い一日の仕事を終えたあとは心身共に疲れ切ってしまうが、それと同様の消耗感が、パートナーとのすれ違いにより生じる場合があるのだという。厄介なのは、この2種類の燃え尽きが、互いに悪影響を与える可能性があることだ。

燃え尽きは伝染し、人生のあらゆる側面に波及する

研究チームは、人生の一つの領域で燃え尽きが起きると、それが他の部分にも波及する可能性があると指摘している。つまり、パートナーとの関係でストレスや緊張感が生じると、仕事の面でも燃え尽きやすくなってしまうのだ。

研究チームはさらに、カップルの片方が燃え尽きると、もう片方にもそれが波及する可能性があることも指摘している。つまり、自分が仕事や恋愛関係でストレスがあることを示すと、相手も燃え尽きを体験する可能性が高くなるのだという。

こうした知見から見えてくるように、燃え尽きは、一つの側面に限った問題ではない。燃え尽きには伝染性があり、人生の他の側面にまで影響を及ぼしかねない。パートナーとの関係で感じるストレスや緊張が仕事に影響する可能性があり、その逆もまた起こり得る。

早朝から夜遅くまで働くような生活を続けていると、心身の幸福度は低下する。最も意外な新事実はおそらく、燃え尽きが一個人だけの苦しみではなく、カップルにおいてはふたりが共有する体験だということだろう。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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