研究チームは、コロナ後遺症には共通点があまりないように見える複数の症状があるため、サブグループを設定した研究がさらに必要だとしている。また、異なる症状が同一の原因で引き起こされる可能性は低いとも指摘している。
原因についてはほかの説も
米国立衛生研究所(NIH)はコロナ後遺症発症のリスク因子として、肥満症や糖尿病といった基礎疾患、ワクチンの未接種、入院などコロナの重症化、高齢、女性であることなどを挙げている。コロナ後遺症は心臓や肺、腎臓、生殖器系、脳などに影響を及ぼしたり、腎臓病や自己免疫疾患、糖尿病などほかの疾患を引き起こしたりするおそれもある。いくつかの研究では、コロナ後遺症の一部の症状について、長期にわたる細胞内の微小な血栓が原因と仮定している。こうした微小血栓が炎症反応を引き起こし、それが倦怠感や疲労をもたらすと考えられている。
ケンブリッジ大学の研究チームは、今回得られた知見からは微小血栓はコロナ後遺症の唯一あるいは最も重要な原因にはなり得ないことが示唆されるとしつつも、可能性としては排除していない。
2022年の研究によれば、新型コロナに罹患中あるいは罹患後に特定の抗炎症性の腸内細菌叢(腸内フローラ)が減少することも、炎症反応を通じてコロナ後遺症の原因になる可能性がある。このほか、新型コロナウイルスに対する体の反応ではなく、ウイルス自体が細胞を損傷させたり変化させたりすることで症状の長期化を招いているとする説もある。
(forbes.com 原文)