こうした総合的な評価アプローチは、特に初期のステージにあるスタートアップを判断する上で欠かせません。従来の指標では、長期的な企業価値につながる初期の重要な進展についてほとんどわからないこともあるからです。
しかし企業の初期段階では多くの場合、このように数値に落とし込めず、財務諸表にもすぐには反映されないマイルストーンこそが実際には重要で、長期的な成功に不可欠なのです。
誤った判断につながることもあった好況期の過度な楽観主義からの脱却は必要ですが、すべてを悲観的に捉える色メガネに置き換えないことも同じくらい重要です。実際、Coral Capitalではスタートアップの将来性を測るポイントの1つとして、マイルストーンに向けた進捗スピードを見ることが多いです。
結局のところ、投資家が見る指標の多くは、遅行指標に過ぎません。それよりも採用力や製品開発スピードなど他の要素のほうが、並外れた成功を予測する先行指標になり得るのです。
連載:VCのインサイト
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