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2024.02.26 09:30

スタートアップの資本政策を支援するフィンテック「Pulley」の挑戦

その後、ソフトウェア分野で成功を収めたウーは、今度は自分が誰よりも理解していると感じている顧客、つまり他の起業家にサービスを提供したいと考えたのだ。
 
「スタートアップで一番大事なのは、結局のところ誰を助けたいのかを真剣に考えることなのです。そのビジョンを誰と共有するかを考えることなのです。成功する保証なんかなくても、いっしょに働く仲間や顧客からエネルギーをもらうととてもいい1日になります」と彼女は語った。

市場は世間の想像以上に大きい

2020年にウーは、プーリーの創業者として3度目のYコンビネータに参加した。彼女は、資金調達のためではなく、他の創業者とのネットワークを作るためにそこに参加したのだという。その戦略が功を奏し、プーリーは今ではYコンビネータの卒業生の企業の間で、70%以上の市場シェアを獲得しているという。
 
「創業者のコミュニティは本当に緊密なもので、彼らは他の会社からどのサービスを使うべきかを聞いて、それに乗るのです」とウーは話す。
 
プーリーは現在、シリコンバレーのスタートアップの特定の層の間で台頭しているが、主流に上り詰めるまでの道のりは長い。この分野にはCartaだけでなく、2500のキャップテーブルを管理するAngelList(エンジェルリスト)のような競合も存在する。プーリーは、主力製品のキャップテーブル以外にも機能の拡大に取り組んでおり、昨年はストックオプションのコンプライアンスを支援するツールなどを実装した。また、ブロックチェーン関連のスタートアップのトークン配布の追跡も開始した。
 
「新しいスタートアップ企業をすべて当社の顧客にしたいし、他のサービスを利用中の企業にもプーリーに乗り換えてほしいと思っています」とウーは話す。「多くの場合、市場は人々が考えているよりも大きいのです。他社よりも10倍優れたプロダクトを作っていきます」と彼女は続けた。
 
forbes.com 原文

編集=上田裕資

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