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2024.02.26

スタートアップの資本政策を支援するフィンテック「Pulley」の挑戦

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サンフランシスコを拠点とするPulley(プーリー)は「キャップテーブル」と呼ばれる企業の所有権を明確にするための情報を把握するプラットフォームを運営している。創業者や投資家、従業員らがどれだけの株式を保有しているかを表すキャップテーブルは、スタートアップが資金調達を実施し、事業計画を作成する上で必須のデータとされる。
 
現在の顧客数が4600社を突破したプーリーは、今年のフォーブスの「フィンテック50」のリストに新たに加わった。同社は、この分野の最大手で4万社の顧客を抱えるCarta(カルタ)よりも7年遅れて市場に参入したが、創業者のイン・ウー(Yin Wu)は、長期戦で勝つためには、必ずしも一番乗りをする必要はないと考えている。
 
「Stripe(ストライプ)がスタートしたときに、彼らは最初の決済サービスではありませんでした。この分野には、Amazon Pay(アマゾンペイ)やPaypal(ペイパル)、Braintree(ブレインツリー)などがすでにありました。しかし、実際にこれらのサービスを使っている人たちに話を聞くと、特にすばらしい体験をしているわけではなかったのです」と彼女は話す。
 
現在のところプーリーはまだ、2021年8月の資金調達で評価額が74億ドル(約1兆1000億円)に達した最大手のCarta(カルタ)の影に隠れている。一方、プーリーの評価額は2022年10月のシリーズBラウンドで2億5000万ドルとされ、Stripeやファウンダーズ・ファンド、エラッド・ギル、ジャック・アルトマン、ウーの夫のアヴィチャル・ガーグなどから5000万ドルを調達した。
 
プーリーの強みは、競合よりも優れた資金調達モデリングをスタートアップに提供可能な点で、創業者がアーリーステージの調達によって自分の持ち株がどれだけ希釈されるのか、また投資家を惹きつけるためにどのようなスキームを取るべきかを正確に把握できるようにしている。
 
同社は、最大25人のステークホルダーを追跡できる廉価版で年間1200ドルを顧客に請求し、最大40人のステークホルダーに対応し、毎年の409A評価(税務上必要な公正市場評価)が得られるプランを年間3500ドルで提供している。
 
「我々は、ジェフ・ベゾスがアマゾンを成功に導いたような顧客中心主義で成功を収めるつもりです。当社の顧客は、自分が立ち上げたスタートアップを成功させようとしている創業者たちです」と、プーリーの共同創業者のマーク・エルドマンは語る。
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編集=上田裕資

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