古巣にカムバック! チャンスは増えそうだ
メンフィス・グリズリーズといえば、2018年に渡邊がNBAで最初に在籍したチームです。当時は再建中のチームでしたがそこから力をつけ、チームにはオールスターのエースジャ・モラントや昨シーズン最優秀守備選手を獲得したジャレン・ジャクソンJrなど生え抜き選手が台頭し、2022年にはプレーオフで西準決勝まで勝ち上がるチームに成長しました。2019年の頃から監督も変わっておらずドラフトで指名した選手を大切に育て上げるのがグリズリーズの特徴です。
しかし、今シーズンはジャ・モラントの長期出場停止から始まり、モラント復帰後も怪我により全休、他主力メンバーにも怪我が相次ぎ、今シーズンのプレーオフ進出はすでに絶望的になりました。
これらの事情を踏まえ、チームは今季は若手を育てるという方針に切り替え、新しい選手を次々起用しています。実際に今季が始まる前にドラフト2巡目45位で指名したGGジャクソンが最近大活躍していたり、若手育成という面では一定の成果が現れてきているのが今のグリズリーズの状況です。
そんなチームに渡邊が戻ってきたことは個人的にはとてもポジティブなことだと思います。
サンズにそのまま残る場合はなかなか出番はやってこなかったと思いますが、今のグリズリーズであればチャンスは多くあると思います。
ネッツ時代も含めて今までの渡邊の起用方法はスリーが入れば起用される、逆に入らなければ起用されないというミスが許されず、選手的にもかなり厳しい起用方法だったと思います。しかし今のグリズリーズであればある意味ミスをしてもチャンスが回ってきやすい環境になります。
渡邊のデビュー戦は日本時間2月13日のニューオリンズペリカンズ戦になりました。
この試合前半では1Qの残り約6分くらいから出場しましたが、前半はシュートが決まらず得点は0で終わりました。しかし後半にも再びチャンスが回ってきて、後半だけで11得点を記録しました。試合には敗れたものの、後半には積極的にドライブで仕掛けていく姿勢や、持ち前のディフェンスでもペリカンズの点取り屋であるCJマッカラムを抑えきるなど見せ場を作りました。
今まではであれば前半シュートが入らなければ後半チャンスがなかったですが、グリズリーズであればデビュー戦のようにチャンスが回ってきます。試合後監督のテイラー・ジェンキンスも渡邊のことを高く評価しており、今後ローテーションに入れる可能性があることを話していました。
渡邊の契約は今シーズン末までですが、来シーズンはプレイヤーオプションという契約で渡邊が希望すればチームに残ることができます。
グリズリーズは来シーズン以降渡邊と同じポジションに有力な選手が復帰するため、来シーズンもチームに残るかは分かりませんが、今シーズンNBAで即戦力として戦っていけることをアピールできれば来年以降も契約があると思うので、渡邊のグリズリーズ移籍は総じて良かったのではないかと思います。
シーズンはまだ25試合以上残っており、渡邊としても充分な時間が残っているため、ここからどれだけ活躍してくれるかとても楽しみです。
Forbes JAPANでは引き続き、NBAの最新話を更新していきますのでご期待ください。僕と一緒にNBAを盛り上げていきませんか?
新連載:まっつんのNBAだべり場