海外

2024.02.16 09:30

サムスンと提携し「打倒NVIDIA」を目指す、韓国のAI半導体企業リベリオンズ

安井克至
リベリオンズは、今回調達した資金を使って、大規模言語モデル(LLM)とハイパースケーラー(AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudなどの大規模なクラウドサービスプロバイダー)向けの次世代AIチップを開発する予定という。パクによると、同社の「Rebel」という名称の新型チップの利点の1つは、3万ドル以上もするエヌビディアのチップよりもはるかに安いことだという。「我々は、エヌビディア製チップの半額を目標にしている」と彼は語った。

韓国のエコシステムを活用するからこそ

リベリオンズは、韓国のサプライヤーやメーカーを使うことでコストを下げることが可能だとしている。「韓国の半導体エコシステムを利用することで、製造コストを大幅に削減することができる。台湾や米国を含むグローバルサプライチェーンを構築する必要はない。それには多くの時間と資金が必要だ」とパクは話す。

カリフォルニア州サンタクララに本拠を置くエヌビディアは、世界トップクラスの最先端チップメーカーである台湾のTSMCを主な製造委託先としているが、リベリオンズは、サムスンのエコシステムを利用している。

世界最大のメモリーチップメーカーであるサムスンは、TSMC以外に最先端チップを製造できる唯一の受託チップメーカーだ。リベリオンズは、サムスンと共同でRebelを開発しており、サムスンの高帯域幅メモリと4nm(ナノメートル)プロセス技術を使用している。両社は、今年末までにRebelの開発を完了し、2025年に量産を開始することを目指している。

韓国最大の企業と提携し、世界トップクラスの投資家から出資を得たことで、リベリオンズはエヌビディアに対抗できるとパクは考えている。「現在、エヌビディアは約90%のシェアを持つ王者だが、価格が高すぎて誰も現状を好んでいない。巨人ゴリアテがいる市場には、必ずダビデが出現する。韓国発のダビデ候補の1つが我々の会社だ。反逆者を意味する英単語のRebellionsという社名の通り、我々は現状を打破していく」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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