14歳未満のHPVワクチン接種で子宮頸がん発症ゼロ、スコットランド研究報告

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14歳になる前にヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを接種した女性では、浸潤性子宮頸がん(進行した状態の子宮頸がん)の発症例が0件だったとの研究報告が、英オックスフォード大学発行の医学誌Journal of the National Cancer Instituteに掲載された。

スコットランド公衆衛生局(PHS)とエディンバラ、ストラスクライド両大学の研究グループは、2008年以降にスコットランドで子宮頸がん検診プログラムを受診した1988~96年生まれの女性45万人を調査した。

研究対象となった女性のうち、4万人は12歳から13歳の間にHPVワクチンを2回接種していた。12万人は14~22歳で3回ワクチン接種を受け、約30万人は接種を受けていなかった。

2020年に行ったデータレビューの時点で、12~13歳でワクチンを接種したグループの中に子宮頸がんの発症例はなかった。14~22歳で3回接種を受けた人の子宮頸がん発生率(罹患率)は10万人当たり3.2例で、接種しなかった人(10万人当たり8.4例)の3倍近く低かった。

子宮頸がんの原因の約90%がHPV感染であることはよく知られている。HPVはガーダシルという商品名で世界初のワクチンが登場するまで、成人人口に広く蔓延していたウイルスだった。男性もHPVが原因で咽頭がん、肛門がん、陰茎がんを発症することがある。

米国では毎年、1万1000人以上が子宮頸がんに罹患し、4000人近くが死亡している。世界では年間60万人を超える新規患者が確認され、30万人以上が死亡している。これらの症例と死亡例の多くは、HPVワクチン接種と子宮頸がん検診プログラムの提供が不十分な国で発生している。

HPVワクチンが普及し、性別を問わず10代前半に接種が推奨されるようになった数年後に発表された複数の研究結果では、子宮頸がんの発生率が著しく低下していた。米国では現在、11~12歳の子ども全員への接種を推奨している。

しかし、米国とカナダではHPVと性感染症の関連性から、HPVワクチンには「性的」なワクチンだとの汚名が着せられ、思春期の若者をハイリスクな性行為に走らせかねないという誤った考えが広まっている。実際は、何歳で接種してもHPVワクチンによって性行為が増えることはない
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翻訳・編集=荻原藤緒

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