ただし、国債が大量に売りに出されてしまうなど、政策の転換ではなく日銀のコントロールの及ばないところで金利が大きく上がる可能性もゼロではない。金利が3%、4%上がれば、変動金利への影響も免れないだろう。しかしその状態が何年も続き、住宅ローンを借りている多くの人が阿鼻叫喚の状態に陥るようなことはおそらくない。大きな理由は今の財政が到底もたないということだが、変動金利で借り入れている多くの人がデフォルトに陥ってしまえば、金融機関が立ち行かなくなってしまう。こうなってくると、借りている人のほうが強いはずだ。
そもそも変動金利には5年間は返済金利が据え置かれ、6年目も返済額は125%までしか上がらないルールがある。金利上昇により未払い利息が発生するときまで、日本の財政がもつとも考えにくい。あらゆるシナリオを想定しても、金利上昇が不動産市場や住宅ローンを借り入れている人に大きな影響を与えることはなく、基本的に懸念する必要はないと私は考える。
連載 : 日本の不動産最前線
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