Official Columnist

長嶋 修

日本の不動産最前線

「第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント」の第一人者。1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社「さくら事務所」を設立、現会長。「第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント」の第一人者。国土交通省・経済産業省などの委員を歴任し、2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度を整えるため、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立し、初代理事長に就任。『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ新書)など。著書・マスコミ掲載やテレビ出演、セミナー・講演等実績多数。

  • マンションの管理会社変更、「成功報酬型」に潜む落とし穴

    「共用部の清掃がきちんとされていない」「騒音やペットなどのトラブルの際、頼りにならなかった」「積立金の大口滞納があるのに催促せずにほったらかし」「管理費の内訳が不透明」「修繕の見積もりが1社しか提出されない」。マンション所有者で構成する管理組合の総会では、しばしば管理会社への日頃の疑問や不満の声が噴 ...

  • 資産化するマンション、廃墟化するマンション

    あまり知られていないが、マンションの「管理状態」は、売買価格にさほど反映されていない。東京都内のとある場所には築40年、総戸数約200戸で同グレードのマンションが2棟並んで建っている。西側のマンションAはしっかり管理され修繕積立金も潤沢、経年による陳腐化はみられるものの建物のコンディションは良好、ま ...

  • 廃墟と化す「既存不適格マンション」 それでも建て替えが進まない理由

    いま、世の中には廃墟になりそうなマンションの予備軍がごまんとあるのをご存知だろうか。都内某所にある築40年、総戸数50戸の中古マンションは、築10年目に大規模修繕を行って以降、一度も大規模修繕を行ったことがない。というのも、毎月各戸から徴収される修繕積立金がわずか2000円程度に過ぎず、さらには滞納 ...

  • ホームインスペクション義務化による「市場の失敗」のリスク

    ホームインスペクション(住宅診断)を説明義務化する「改正宅建業法」が、4月に施行された。具体的には、不動産取引の媒介契約を結ぶ際、あるいは重要事項説明の際などにおいて「インスペクションの斡旋の有無」や「インスペクションをしていればその内容について説明する」というものだ。要するに、住宅売買に関わる売主 ...

  • 住宅ローン「支払額が変動する固定金利」に要注意

    2012年の民主党から自民党への政権交代以降、都心部の新築マンション市場を中心にここまでかなり上昇してきた価格水準は、マイホーム購入検討者には悩ましいところだろう。不動産経済研究所によれば、2018年2月の首都圏新築マンション価格平均は6128万円と、依然として高止まり傾向が続いている。東京都区部に ...

  • 不動産格差がより鮮明に 「駅からの距離」でここまで変わる

    来月(3月)半ばには、平成30年地価公示が取りまとめられ公表されるが「不動産格差」がますます拡大していることが明らかになるだろう。地価公示とは、全国の標準地2万6000地点について毎年1月1日時点の「正常な価格」を判定し公示するものだが、昨年の地価公示では、商業地・住宅地とも「下げ止まった」「上昇地 ...

  • 都心の高級不動産の価値を下げる「飛行機の騒音」問題

    都心の閑静な高級住宅街上空を、飛行機が航行する計画がある。東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、あるいは訪日外国人観光客増大による国際線の需要拡大、さらには国際競争力の強化を図るべく旅客機の増便を実現するため。いくつかの計画ルートがあるうち、都心上空の新しい着陸ルートは南風が吹いている午後1 ...

  • 「3軒に1軒が空き家」時代が来る前に確認すべき境界問題

    日本の空き家はこれから加速度的に増加する。野村総合研究所によれば、2033年には空き家が約2150万戸(同30%)になる推計だ。3軒に1軒が空き家となる事態はにわかには予想し難いが、このままでは確実にやってくる未来だ。ところで「空き家」というと、読者の多くが潜在的に抱えているのが都市郊外や地方にある ...

  • 住宅のかかりつけ医、「ホームインスペクター」選びの3つのコツ

    宅建業法改正案が国会を通過し、2017年4月から「中古住宅売買時の住宅診断説明義務化」が決まった。具体的には「媒介契約」「重要事項説明」「売買契約」の各段階で、ホームインスペクション(住宅診断)の存在やその内容について、宅建業者に説明を義務付ける。インスペクションそのものが義務付けられるわけではない ...

  • メディアが報じる「不動産バブル崩壊」という嘘

    2015年後半あたりからささやかれている「不動産バブル崩壊説」だが、そんなものは大嘘だ。こうした崩壊・暴落説でなぜか常にやり玉に上がるのは、都心湾岸地区のタワーマンション群である。確かに中国人を中心とした外国人のいわゆる「爆買い」は終わり、一部では売りも出ている。しかし結論を言えば現在の国内不動産市 ...

  • 「悪いインフレ」下で不動産投資は可能か

    今回は、不動産市場とインフレとの関係を考えてみよう。景気回復に伴うインフレによって日本経済が本格回復した場合の不動産市場は比較的想像しやすい。まず東京都心のAクラスのオフィス賃料が上昇したり、期待利回りが低下したりすることで価格が上昇する。それを受けて、価格上昇の波は都心マンションなどに波及していく ...

  • 欠陥発覚も度々、それでも不動産は「大手」が安心なのか?

    不動産、とりわけマイホームの世界には、いわゆる「大手志向」がある。しかしその理由ははっきりしているわけではなく、「なんとなく」だ。大規模タワーマンションに代表される比較的高級路線のマンションは、主として大手のデベロッパーが手掛けるが、中小規模であまり耳なじみのないデベロッパーがNGというわけでもない ...

  • 修繕積立金を食い物にする「怪しいコンサル」の見分け方

    日本の分譲マンションストック600万戸の「高齢化」が進行している。2031年には築30年を超えるマンションが406万戸、40年超えが235万戸、50年超えが106万戸となる見込みだ。建物と同時に所有者も高齢化しているうえ賃貸化も進み、さらに昨今は「空き家問題」も浮上。一戸建てよりマンションの空き家の ...

  • 「住宅診断」業界は癒着天国、欠陥隠ぺいの恐れも

    中古住宅取引の際にホームインスペクション(住宅診断)について説明することを義務付ける「改正宅地建物取引業法」が国会を通過し、早ければ2018年度から施行される見込みとなったことで、不動産業界は大きく動いた。ホームインスペクションとは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場 ...

  • 森友問題、証人喚問で露呈した「国の落ち度」

    学校法人「森友学園」への国有地売却問題をめぐり、3月23日に行われた証人喚問で籠池泰典理事長は「土地取引に神風が吹いた」と証言した。政治的な関与があったかを問われると「あったのだろうというふうに認識している」と答えた。ゴミ撤去費8億1900万円を引いて1億3400万円となった売却額について「想定外の ...

  • 森友学園問題、国による「買い戻し」が難しい4つの理由

    学校法人「森友学園」が小学校設置の認可申請を取り下げた。これで土地売買契約の前提がくずれ、森友学園は違約金として売買代金の10パーセント、1340万円の支払い義務が生じる。その上で財務省は土地を買い戻す方針だ。しかし、実際に問題として買い戻しのハードルは高い。それはなぜか。まず、買い戻しにあたっては ...

  • マンションは「管理状態」で資産格差が出る時代に[日本の不動産最前線 第10回]

    新築マンションを買って入居した後、建物に不具合があるとどうなるか。「引き渡しから10年間は10年の保証がついています」といった説明を受けて安心してはいけない。なぜならその範囲は「主要構造部」「雨漏りを防止する部分」の2点に限られるからだ。それ以外の多くの部位は2年・5年などの期限を設けた「アクターサ ...

  • 急増するリノベーション物件の落とし穴[日本の不動産最前線 第9回]

    首都圏の中古マンション市場が好調だ。東日本不動産流通機構によれば、2017年12月の首都圏中古マンション成約件数は前年比2ケタ増のプラス17.7%。成約平米単価は前年比9.5%上昇、成約価格は前年比9.0%上昇し、ともに2013年1月から48か月連続で前年同月を上回った。昨年後半から恒常的に契約率7 ...

  • マイホーム購入前に知っておきたい「最低限のこと」[日本の不動産最前線 第8回]

    本コラムをご覧になる方のなかには、年明けあたりからマイホーム探しをしようとしている方も多いのではないだろうか。待望のマイホームには胸が高鳴るが、注意したいのは、物件見学から契約までの購入者と宅地建物取引業者(以下、宅建業者)とのやり取りには認識に違いがあったり、その認識のズレや購入者側の無知を業者が ...

  • 業者だけが得をする「物件情報囲い込み」の実態[日本の不動産最前線 第7回]

    自身が所有している不動産の売却情報が、宅地建物取引業者(以下、宅建業者)によって囲い込まれ、その情報が市場に行き渡っていないとしたら、あなたはどう思うだろうか。もちろんこのようなことは、依頼者であるあなたに対する背信行為であるし、そもそも契約違反だ。しかし今も多くの物件情報が隠蔽されている。宅建業者 ...