2. 悪い結果には思ったほど傷つかない
私たちは、目標を達成できなかったら立ち直れないと思い込みがちだ。失望したり後悔したりする自分を想像し、押しつぶされそうに感じる。だが、人は未来の心の状態を予測するのがあまり得意ではない。「感情予測のバイアス」として知られる現象である。心理学の専門誌『Frontiers In Psychology』に2022年に発表された研究結果では、感情予測のバイアスが意思決定にどんな影響を及ぼすかを調べた結果、人には未来の出来事に対する感情反応の強さと持続時間を過大評価する傾向があることが示唆されている。つまり私たちは、過大評価した不正確な未来の感情の予測に基づいて意思決定を行いかねないということだ。
就職面接を例に考えるとわかりやすい。
・面接の前には、悪い結果を予想して不安な日々を過ごすかもしれない。仕事が決まらなかったときの失望やきまり悪さを想像し、夜もおちおち眠れないという人もいるだろう。これが感情予測のバイアスの作用だ。良くないことが起こる可能性に対する感情反応の強さと持続時間を過大評価している状態だ。
・さて、面接に行ったが残念ながら不採用だったとしよう。最初はがっかりするかもしれないが、後ろ向きの感情は思ったほど強くなく、長続きしないと気づくだろう。そして、状況を合理的に整理し始め、この経験は今後の面接へ向けた貴重な練習になったと考える。次の仕事の機会も探し始める。
これは私たちの人生によくあるパターンだ。失敗や困難に直面したとき、人は思いがけない自己回復力(レジリエンス)を発揮する。結果に伴う感情を、前向きなものであれ後ろ向きなものであれ過大評価しないことで、もっと「今を生きる」ことができる。
面接の例で説明すると、慎重な楽観主義に基づく考え方ができていれば、自己破壊行動やパフォーマンス不安に折り合いをつけ、より良い面接の準備ができたかもしれないということだ。これらは、計画通りに物事が進むことを重視しすぎると忍び寄ってくるものだからだ。
まとめ
楽観主義は強い原動力になるが、現実主義をひとさじ加えてバランスを取ると、目標に向かって努力する過程を好きになれる。良い結果から得られるであろう喜びと悪い結果がもたらすかもしれない不幸を過大評価しがちな自分に気づくことができれば、レジリエンスを育み、人生の不確実性を優雅に乗り切れるようになる。自分が盲目的な楽観主義に突き動かされているのか、それともより慎重な楽観主義に基づいて物事に向かい合えているのかを知るには、「Realistic Optimism Scale」(現実的楽観主義の評価尺度)を使うとよい。
(forbes.com 原文)