すべての従業員が身につけるべき、5つのリーダーシップスキル

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急速に変化する今日の職場環境において、リーダーシップの属性は、もはや従来のリーダーにのみ求められるものではない。新入社員から上級管理職まで、すべての従業員が、リーダーシップ精神を体現し、組織内にポジティブな変化を引き起こすことができる。

強く結束力があり、互いのつながりとエンゲージメントによって成長するチーム作りに、すべての従業員が貢献するためには、真のリーダーシップスキルが不可欠だ。本稿では、現代の職場で抜きんでるために、役割や役職に関係なく、すべての従業員が習得すべき5つの重要なリーダーシップスキルを紹介する。

1. 文化的能力

文化的能力(Cultural competence)とは、帰属意識を支えるような企業文化を育む、さまざまな能力の集合体のことを指す。帰属意識を支える企業文化は、今日の多様性のある職場環境に欠かせないものだ。役割や役職に関係なく、チームの全員が、そうした文化の醸成に貢献することができる。文化的能力を構成する要素を以下にまとめた。

・自己認識:真のリーダーシップの基盤となるのは、自身の長所と短所、嗜好、偏見を理解することだ。他者に共感し、チームの結束を強くする意思決定を下すためには、こうした自己認識が重要だ。自己を真に認識することが、本当のリーダーシップを支える根幹となる。

・包摂性(インクルーシビティ):すべてのメンバーが、自身の価値が認められており、真の実力を最大限に発揮する権限を与えられている、と感じられるような環境を整えること。

・対人認識と共感:チームメンバーの多様な背景・嗜好・ニーズを認識してそれらを尊重し、EQ(心の知能指数)を発揮してリーダーシップを示すこと。

・効果的なコミュニケーション:チーム全員が利用しやすく、全員を包摂できるコミュニケーション方法を確保すること。

文化的能力を身につけることで、チームメンバーの全員が職場環境を整えることに貢献できるようになる。そうした職場環境とは、誰もがチームにとってかかせない価値のある一員だと感じることができ、コラボレーションとイノベーションの向上を促進できるものだ。

2. バーチャル/ハイブリッド会議のマネジメント

リモートワークやハイブリッドワークが普及したことにより、現在はデジタル会議が主要なコミュニケーション手段となっている。こうしたミーティングを効果的に管理するために必要なスキルを以下にまとめた。

・エンゲージメントの刺激:参加者を関与させ、惹きつけるミーティングを催すことで、参加者の集中力低下や、会議中に別の作業をするといった問題を防ぐこと。

・インクルージョン:すべての人の意見に耳を傾けること。特に、貢献することにハードルを感じやすい内向的な人やリモート参加者の声を聞くように注意すること。

・テクノロジーに関する知識:テクノロジーを活用することで、会議をより興味深く、インタラクティブで、インパクトのあるものにすること。これには、同期と非同期のビデオを使いこなすことなどが含まれる。

バーチャル会議のマネジメントに精通することは、有意義で生産的な議論を主導し、オフィス勤務かリモート勤務かに関わらず、すべての参加者を関与させ、尊重することを意味する。そのためには、会議の進行に対する、まったく新しいマインドセットとアプローチが必要だ。
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翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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