サイエンス

2024.01.21 15:00

「独占欲」がカップルに及ぼす影響、ポイントは2人の「配偶価値」

実際、微妙な独占欲がうまく成り立つ場合もある。ただし、それが可能なのは、2人の配偶価値が同等で、関係を維持するべく努力しようという気持ちを双方が等しく持っており、前向きな関係環境を育んでいる場合のみだ。

この2014年の研究論文によると、独占欲をさりげなくほのめかす行為(例えば、恋人同士であることを公にするなど)は、恋愛関係にプラスに働く可能性がある。そうした行動は、例えばインスタグラムのプロフィール欄に「カップルらしい」時間を共有している写真を載せるといった、ごく単純なことだったりする。

仮に、あなたに配偶価値の高いパートナーがいて、そのパートナーが仕事のことで腹を立てていたとしよう。そんなパートナーを誰よりも先に労りたいという願いは、目立たないかたちの独占欲の一種だが、その元には、相手を思いやったり心配したりする感情が存在する。つまり、パートナーのそばにいて、精神的に支え、元気づけてあげたいと望んでいるということだ。

仮に立場が逆転し、腹を立てているのがあなただったとしても、パートナーがあなたを配偶価値の高い相手だとみなしていれば、同じような気持ちを抱くだろう。

こうした思いは、相手を操ったり支配しようとしたりする感情とは異なる。相手を操ったり支配しようとしたりする感情はたいてい、負の独占欲と結びついており、それは配偶価値がアンバランスなカップルに、より頻繁に見られる。あなたのパートナーが、自分の配偶価値の方が低いと考えていれば、大きな損失だと思わせるための行動をとって、あなたを自分のもとに引き留めておこうとするかもしれない。

まとめ

独占欲は、たとえ目立たないかたちであっても、互いを尊重し合い、理解し合う関係に基づいていなければならない。それを忘れないことが重要だ。

両者とも、2人の関係のなかに存在する独占欲のレベルが不快に感じるほどではなく、それぞれの自主性やパーソナルスペースが侵害されていない、と感じていることが重要だ。自分とパートナーの配偶価値が近いレベルであれば、肯定的で相互的なかたちの独占欲が生まれやすくなり、長続きする関係につながるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=ガリレオ

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