ファストフード好きは外向的、「味の好み」にはその人の性格が表れる 心理学研究

Shutterstock.com

もしも一生、たった1つの味の食べ物しか食べられないとしたら、何を選ぶだろうか。答えは十人十色だろう。塩味の料理さえあれば満足だという人もいれば、甘味尽くしの人生に幸せを感じる人もいるだろう。

甘いものに酸っぱいもの、辛いものからしょっぱいものまで、食の好みは千差万別だ。しかし、心理学研究によれば、こうした食習慣や嗜好の違いは味覚だけによるものではないらしい。味の好みと性格には興味深い関連性があり、私たちがどんな人間かを各人の「味のプロフィール」が物語っている可能性があるというのだ。

食の好みで人となりがわかる

私たちの性格は、好きな味に影響するだけでなく、健康的な食事の選択にも関係しているかもしれないとの研究結果がある。医学誌International Journal of Preventive Medicineに発表されたある研究では、性格特性と食習慣や食べ物の好みとの関連性を調べた。

食べ物の好みに関しては、性格特性によって特定の味や食品への嗜好性に大きな違いが見られた。

1. 神経症傾向

塩辛いもの、酸っぱいもの、脂っこいものに対する嗜好性と相関関係にあり、牛乳や乳製品とは逆相関関係にあった。

2. 外向性

ファストフード、アイスクリーム、チョコレート、カカオを好む傾向と関連していた。

3. 開放性

果物とは負の相関を示したが、肉類や甘い菓子(クッキーやケーキなど)とは正の相関を示した。

4. 協調性(調和性)

清涼飲料水や加糖果汁と負の相関を示した。

5. 勤勉性(誠実性)

乳製品、野菜、ナッツ類を好む傾向と正の相関関係にあったが、塩気の強い食品や甘い菓子とは負の相関関係にあった。

性格と味覚嗜好に関連性があるという事実には、人間の行動を理解することへの興味をいっそうかきたてられる。個人個人が持つ特性が味覚の好みや食習慣に影響するという発想は、人間の心理的構成の複雑さを物語るものだ。この発見は、精神的自己と身体的自己の興味深い関係を浮き彫りにするだけでなく、私たちと食との関わりの多様性をまざまざと示している。

性格が食生活におよぼす影響

さらに、何を食べるか選ぶ際の健康指標や、食に関連した衝動性、空腹時の反応にも、性格が影響しているとの研究結果がある。学術誌Appetiteに掲載された研究では、性格特性と食行動の関連に光を当て、味の好みにとどまらない影響力を明らかにした。

注目すべき発見は、敵意や不安傾向と満腹になっても食べ続ける可能性が高いこととの関連がみられた点だ。こうした特性のある人は食生活のコントロールに苦労しがちで、感情の状態と不健康な食慣行への固執に関係がある可能性を示している。
次ページ > 何を食べるかは自己表現

翻訳・編集=荻原藤緒

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事