働き方

2024.01.15 08:00

言いたいことが言える大切さ、職場の「心理的安全性」を測る7つの基準

誰もが心理的安全性を話題にする理由

心理的安全性は、あらゆる組織に当然織り込まれているべきもののようにも思えるが、それがいきなり世間の意識に上るようになったのは、どうしてだろうか。学術誌『Annual Review of Organizational Psychology and Organizational Behavior』で2023年に発表された論文は、その手がかりを与えている。

その論文によれば、パンデミックの最中やその後に、リモートやハイブリッドの職場環境へと急速に移行した結果、心理的安全性は、以前よりも大きな意味をもつようになったという。在宅勤務や各地に分散したチームでの仕事は、コミュニケーション、共同作業、調整といった点で新たな課題を生んでおり、ひいては高水準の信頼と心理的安全性が求められるようになっている。さらにリモートワークは、従業員の孤立感、ストレス、不安を悪化させ、それが従業員の幸福や、仕事にかかわる意欲をむしばむことがある。

急速に変化する現代の職場においては、心理的安全性という概念は重要だ。明示的であれ暗示的であれ、心理的安全性を支持する社風の組織で働いているかどうかが万事を決めることになる。

自分の職場が心理的に安全かどうかを見極める方法

自分の職場の心理的安全性のほどを評価するには、研究にもとづいて設定された以下の7つの質問を自問するといい。

1. チーム内でミスをしてしまったときに、あなたの支えとなるような、有益で建設的なフィードバックを得られるか
2. 問題や厄介な事柄を話題に持ち出せるか
3. チームメンバーは、他者の意見や思考を、それが自分のものとは違っていたとしても歓迎するか
4. 職場で安心してリスクをとれるか
5. 他のチームメンバーに、気軽に助力を求められるか
6. チームメンバーは、あなたの努力を率直に称賛するか
7. あなた独自のスキルと才能が評価され、活用されているか

これら7つの質問のほとんどに「イエス」と答えられるなら、あなたの職場は心理的に安全な環境である可能性が高い。逆に、ほとんどの質問に対する答えが「ノー」であるなら、あなたは、自分の意見を表明したり、フィードバックから学んだり、他者と協力したりする上で、いくつかの問題に直面していると考えられる。その場合、チームや組織内の心理的安全性の環境を改善する道を探るか、もっと従業員を支えてくれる職場を探すことを検討するほうがいいかもしれない。

まとめ

従業員のために心理的安全性の高い職場をつくる責任の大部分は経営陣にあるものの、変化を起こすためには、職場環境にいる全員の努力が必要であることは理解しておこう。職場の心理的安全性を高めたいのなら、まずは自分がお手本になり、他の人たちの同じようなふるまいを後押しすることから話を始めよう。

forbes.com 原文

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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