菅野:そうですね。視覚的にもご理解いただきやすいと思います。
クレイ:内閣府の方から聞いたのですが、企業版ふるさと納税は、実は民間から「こういう事業をやりたいから企業版ふるさと納税の制度を使えないか」と持ちかけられて話が進むことが多いようなんです。西川町もそういったケースはありますか?
菅野:2022年度は22社から寄付をいただきましたが、その半分くらいは、企業からご提案をいただきました。
クレイ:寄付企業の所在地を見ると、東京、大阪、九州と、西川町とは一見繋がりがなさそうな企業が目立ちますね。
菅野:企業側からすると営業コストってかなりかかるものですよね。そのコストがかからない自治体があるらしい、ということを聞きつけて関心を寄せてくれるんですね。もう少し詳しくお話しすると、LINEを使ったオープンチャットの効果なんです。
いまオープンチャットの登録者は約1600人で、そのうち町民が約1000人。どなたでも登録できるので残りは町外の方です。ここでは町民の皆さんから様々な要望が上がります。その声に町の職員や私が日々対話をしているのですが、企業の方からはこの対話のなかに「関わりしろ」がある、とよく言われます。オープンな対話の中に事業の芽が見えてくるので、営業コストがかからないわけです。そこから企業の方に「あの問題の解決方法として、こういうお手伝いができます」というようにご提案をいただくわけです。
町の「つなぐ課」と「かせぐ課」
クレイ:そこで重要な役割を担っているのが、町長就任後に新設した「つなぐ課」ですか?菅野:そうですね。稼ぐ、そして持続可能を目標に掲げた西川町はとにかくいまは関係人口を拡大させたい。なので企業の方が西川町の取り組みを報道や口コミなどで関心を持っていただいたときの窓口になっています。そこから企業側とのセッションになるわけですけど、そういう席には私も出来る限り出るようにしています。素早いレスポンスと西川町との事業が楽しいものになると感じていただきながら、町の関係者になっていただきたいんです。