ついにマツダ独特の、その魂とも言えるロータリー・エンジンが復活した。でも、多くのファンが期待していたようなカムバックではない。やはり、電動化時代に合わせて、蘇ったロータリーは、なんと「MX-30 ロータリーEV」として販売開始になった。
マツダは、2020年10月に日本市場向けの「MX-30」というSUVを発表した。マイルドハイブリッドの「M HYBRID」仕様だった。しかし、面白いことに、市場によって、導入されたモデルは異なったけど、最後にラインアップに加わったのが、MX-30 ロータリーEV。
その一年前に、欧州には量産電気自動車「MX-30」(EV)が導入されたにもかかわらず、日本でEV仕様が公式発表されたのは、21年。そして、ついに、今年9月に、MX-30 ロータリーEVが出され、3車種のラインアップが完結された。
しかし、正直なところ、最初に発売された2車種は中途半端だった。マイルドハイブリッドは、それほど燃費が優れていなかったし、まるで試行錯誤のようなSUVだった。その後に加わったEV仕様の航続距離は、リアルワールドでは160kmほどしか出なかったので、国内外でかなりひんしゅくを買った。
ということで、今回試乗した「MX-30 ロータリーEV」というプラグイン・ハイブリッド仕様は、それらの問題を解決した集大成と言っても過言ではないだろう。航続距離は700kmほどだし、走りも良いし、燃費も優秀。また、電欠の恐れがないのは、安心できる。
「MX-30 ロータリーEV」は、EVモデルのように全領域をモーターで駆動し、エンジンによる発電が加わることで更なる長距離ドライブが可能となっている。発電用に開発された830ccのシングル・ローター搭載のロータリーエンジンを、モーターやジェネレーターと同軸上に配置してモータールームに搭載しており、17.8kWhのリチウムイオンバッテリーや容量50Lの燃料タンクと組み合わせている。