事故も急増、電動キックボードには自賠責保険が必須

Ned Snowman/ Shutterstock.com

気が付けば、「電動キックボード」は街中の至るところで見かけるようになり、あっという間に普及してきた。

首都圏の例で言えば、ポート(専用駐車場)にある淡いペパーミントグリーンの電動キックボードを選び、アプリでQRコードを読み込んでロック解除すれば利用できたりする。使用後はアプリで好きなポートを選んで返却するという手軽さ。利用料金は1分15円程度で、それとは別に50円(税込)の基本料金がかかる。

この「電動キックボード」の急速な普及の背景と利用上の注意点をまとめてみた。

検挙件数は3カ月間で2000件超

電動キックボードは、キックスケーターに原動機を装備したしくみで、短距離の移動を手軽に気軽に可能にする乗り物だ。コンパクトなつくりで持ち運びも簡単。CO2排出量は自動車の約40分の1ということで環境問題の点からもエコでもあるところが評価されて、5年ほど前から世界中で普及が進んでいる。

日本でも、2021年4月19日に参院本会議で可決成立した改正道路交通法をきっかけに、それまで原付バイクまたは自動車と同じ扱いであったものが“ほぼ自転車並み”になるよう規制緩和され、普及が一気に加速した。

一定要件を満たす特例電動キックボードについては、2023年7月1日からは「特定小型原動機付自転車」という新しく設けられた車両区分になり、16歳以上であれば運転免許証は不要、ヘルメットは努力義務で乗ることができるようになった。

だが、気になるのは、電動キックボードによる事故が増えているという現状だ。


警察庁のホームページ(図表1)によると、2023年7月~9月の3カ月間だけで検挙件数は2000件超。通行区分や信号無視など、交通ルールの認識の甘さによるものが約8割を占めている。死亡事故や大けがを負う事故も発生している状況だ。

最低限知っておくべき10のポイント

たとえ、電動キックボードに乗る気はないという人でも、たとえば観光地でレンタサイクルの代わり利用する機会があるかもしれないし、通勤電車が事故で遅延という場合に、並行して走る他の路線の駅まで最寄駅から利用するといったケースもあり得る。

また絶対に乗ることはないという人でも、自動車を運転する際や歩道を歩いていて、電動キックボードで走行する人に遭遇した際に、どのような動きをするものかある程度想定しておくことも身の安全のために重要だ。

以下では、主な注意点等を10項目に絞ってまとめたので、目を通してみて欲しい。
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文=竹下さくら

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