欧州

2023.11.30 10:00

ロシア、旧式戦車に大量の追加装甲 鈍足のT-62がさらに鈍重に

旧ソ連型戦車T-62。ロシア・モスクワ州クビンカにて2003年9月12日撮影(Andrey 69 / Shutterstock.com)


これは重大なポイントだ。ロシア軍もウクライナ軍も、小規模な装甲部隊による一撃離脱戦法を頻繁に使っている。戦車小隊が敵陣に急接近して数発撃ち込み、敵のミサイルや砲弾が飛んでくるタイミングを見計らって高速離脱する作戦の事例は、両陣営とも枚挙にいとまがない。
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ウクライナ軍が運用するM1やレオパルド2といった西側製の戦車は、頑丈なトランスミッションを備え、高速での後進が可能なため、こうした急襲作戦に向いている。方向転換に時間を食われることなくキルゾーン(敵の有効射程圏)から素早く脱出できるのだ。

対照的に、ほとんどの旧ソ連型戦車は後進速度が極端に遅く、一刻を争う急襲作戦で乗員が犠牲になりやすい。M1の後進最高速度が時速40kmなのに対し、T-62は3トンのERAを搭載していない状態ですら時速8km程度しか出せない。

ERAを追加装備したT-62MV Obr. 2023は当然、それより鈍足だろう。
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forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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