ファッション

2023.11.27 16:15

新進気鋭ストリートファッションデザイナーが集う「LA ComplexCon 2023」とは

身の回りのアイテムで、自己表現

HOLIDAY®︎のニック・ホリデーにブランドを立ち上げるために必要なことを聞いたところ、自分の身の回りにあるもので作り出すべきだと語る。Photoshopがなければ無償で使えるGIMPを使えば良い、自分の好きなモチーフなども活かしながらどんどん作っていけばいいのだ、と。これは私が提供するアート思考のワークショップ Art Thinking Improbable Workshopでも伝えていることに近しい。身近にあるもの、人、なんでも使って自分が創造したいものを作り上げていくべきだ、と。成功する起業家を研究した経済学者サラス・サラスバティ教授のエフェクチュエーション理論の中にも「Birds in hand」というのがある。手中にあるものを使って物事を生み出せ、と。

まさにそれを体感できるワークショップに参加した。トヨタが提供するデザイナーワークショップだ。ブックデザインとファッションデザインの二種類があり、私はファッションデザインのセッションに参加させてもらった。講師はBlu Boy。TOYOTAのバックアップを受けて様々な学校でワークショップを進めている人物だ。
インディペンデント・ファッションデザイナーのBlu Boyはインスピレーションを得たものからどんどん作品を作っていくべきだ、と語る。

インディペンデント・ファッションデザイナーのBlu Boyはインスピレーションを得たものからどんどん作品を作っていくべきだ、と語る。


彼は自分が面白いと思うものをどんどんスケッチ画に落とし込みTシャツやジャケット、アクセサリーなどを作っている。彼のアイディア帳を見せてもらったのだが、彼のインスピレーションの源は既視感のあるブランドやアーティストのものもある。だが、それを自分の作品としてデッサンし続けることにより自分らしさを出している。

ComplexConには同じように若手アーティストの作品で「あ、どこかで見たことあるやつだぞ……」と思うものもある。ロゴでありモチーフであり。ただ、そこで盗作だ、模写だと左脳で判断して作品との関係にシャッターを閉ざしてしまってはいけないこと今回学んだ。最初は模写でもやり続けることによりオリジナルを出して行けるので、まずは、自分の表現したいことを絵に落とし込み作り込んでいくのが夢を実現する方法であることを知った。
TOYOTAのデザインワークショップブース

TOYOTAのデザインワークショップブース


ComplexConには新しい何かを求めにくるGenZやファッションの新たな文脈を作る意欲満点の新進気鋭デザイナーが集まる。繰り返されるファッション、ではなく、後には戻れない不可逆なファッションを追求する新進気鋭のデザイナー達の作品とも言えるブランドがたくさん存在している。ここにはショッピングモールに並ぶような安心したブランドはない。常に冒険に溢れ、好奇心を持って覗きにいくべきブランドが並んでいる。興味ある方はぜひ毎年11月ロサンゼルス ロングビーチで開催されるComplexConを覗いてみてほしい。価値観の変化ポイント、ファッションと自分の関係性を見直すのに良い機会になること間違いなしだろう。

文=西村真里子

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