誇大広告よりも自分らしさ、丁寧さを大切にする姿勢
毎年ComplexConで楽しみにしているのが、大小様々のブランドが自分らしさを100%出しているブース演出だ。今年は160ブースほど出店していたのだが、「リラックスできる空間」を演出しているブースが目についた。ベッドを置いたり、植物を置いたり、ぬいぐるみに囲まれたり。これはイスラエルVSハマス、ロシアVSウクライナなど地政学的緊張や、経済格差、移民問題など列挙にいとまがないストレス時代へのカウンターとしてリラックスできる場所を求めているからだろうか? Anti Social Social Club × Fragmentのブースでは、ゲーマーの部屋が再現され、男性ゲーマーがPCゲームをしたりベッドに横たわってスマホゲームを楽しむ日常をリアルに再現していた。飾ることよりも、ありのままを見せる姿勢に、過大広告に疲れた現代の自然体を大切にする流れを感じた。作り上げられたプラスティックな演出よりも、ありのままの姿を出す方がクールだな、と感じる自分もいた。トークセッションの中でも「数」に対する批判は起きていた。ストリートファッションデザイナー達の鼎談に参加したのだが、そこではフォロワーの多いインフルエンサーの影響力に踊らされずに、自分に合う価値観の人を意識していくべきだ、と語られていた。確かにインフルエンサーの言葉には誇張が多く、接していると疲れる。インフルエンサーマーケティングという言葉に踊らされた時代からの変化も感じられる。