これらの存在も弊社データからいずれも確認されている。さらに確認された変化やトレンドは現在、そして将来も継続するとの考察もえられている。
まず、なによりも決定的に変化したのは商環境である。皆が記憶の通り、パンデミックでは世界の多くで突然外出が規制された。この時、多くの場合コンタクトセンターはあらゆるビジネスで顧客との強力、または唯一の接点となった(対して、多くの対面ビジネスは、顧客との接触の機会を大きく喪失、または致命的な損失を被った)。結果としてパンデミックはコンタクトセンターを「あってもよい」から「必須のチャネル」に変化させた。
次に、トレンドでは顧客ニーズの変化が特徴的だった。パンデミック下のコンタクトセンターの会話の傾向を分析すると、実は提供ビジネスには直接関係ない話題の時間が多く、顧客は「より人間的」な対応を従業員に求めていることがわかった。さらに分析を進めたところ、従業員の顧客によりそう「共感性ある対応」を「人間的な対応」と評価していることがわかった。
さらに、購買のタイミングでは「より顧客にパーソナライズされた情報」が求められるようになり、提供する情報の質への期待が従来より高まっている。
なお、顧客は対応に不満を感じた場合は、従来よりも早いタイミングで関心を失い離脱する傾向も現れた。つまり、パンデミックから顧客はコンタクトセンターへ依存を高め、同時に高い品質の対応を求めるよう変化したと考えている。
最後に、これらの変化やトレンドの傾向は、現在までの弊社のデータを見る限り、今後も継続すると予想している。
──近年のITおよび技術の進歩が顧客体験に及ぼす影響とは?
ITおよび技術の進歩が顧客体験を常に向上させていることは疑う余地がない。例えばコンタクトセンターが突然のパンデミックによる変化に迅速に対応できた事。近年のAIとクラウドの導入で、ゲームでいえばステージが上がったような劇的な体験の変化が起きている事。いずれの対応もITの技術の進歩が支えている。言い換えれば今日の顧客体験は各種IT技術の性能の進歩に比例して急激に底上げされているということである。
特に最大の環境変化をもたらしたのは、AIとの融合とクラウド技術の進歩によりその価格が廉価となったことである。またクラウドに関連してデータベースの導入、運用の技術的ハードルも劇的に下がった。結果として、より多くの企業が必要なサイズのデータベースやコンタクトセンターを運用できるように進歩し、シームレスなサービスを実現している。
このようにクラウドとAIの急激な進歩とインフラ化で、IT環境は日々激変している。この加速度的に進む技術の進歩と歩調をあわせ、弊社の開発チームもほぼ連日でアップデートを提供している。さらにSalesforceなどを始めとする各種支援ツールとの互換や、クライアントの社内データとのよりシームレスな連携など、常に技術革新を活用して顧客体験にポジティブなインパクトがあるように最善を尽くしている。