この手の防衛手段は車両に施されることが最も多いが、今後はそれに限らないかもしれない。歩兵が身を守るものを求めているからだ。「両軍とも、高まるばかりのFPVドローンの脅威にできるだけ早く適応しようとしている」とベンデットは指摘する。
覆いやネット、ケージはあくまで、受動的な応急処置としてのドローン対策だ。両軍とも、根本的なドローン対策は能動的に撃ち落とすこと、そしてドローンを飛び立たせないようにすることだとわかっている。
そのため、トラックに積まれた機関銃や、さらには射撃スキルの高い兵士に散弾銃を持たせるといった即席の防空手段が増加。両軍の電子戦部隊の活動も活発化している。
ウクライナ軍が最近得た最も大きな戦果は、ドニプロ川を渡ってロシア軍が支配する南部ヘルソン州に橋頭堡(きょうとうほ)を構築したことだ。これはウクライナ軍の電子戦部隊がロシア軍の無線通信を妨害し、約24kmにわたってロシア軍のドローンが安全に飛行できない空域を確立したからこそ実現した。
両軍のすべての歩兵小隊が防空網と電波妨害装置を持たないかぎり(非常に多くの小隊が配備されていることを考えると実現の可能性は低い)、歩兵部隊は塹壕に身を潜め、ネットや覆いを設置し続けるだろう。常在するようになったドローンの脅威から身を守るのに役立つものなら、何でも使うはずだ。
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forbes.com 原文)