ベンデットは間違っていない。ベンデットの主張を裏付けるスリルに満ちた恐ろしい証拠を確かめるには、ウクライナ東部のアウジーイウカを見るだけで十分だ。確かにドローンはどこにでもいる。経験豊富なドローン操縦士もいたるところにいる。
この3週間、ロシア軍の旅団はアウジーイウカのウクライナ軍守備隊への直接攻撃で、車両と歩兵を次々と送り込んだ。ロシア軍はわずかに前進を遂げたが、そのために数百両の車両を失い、おそらく兵士数千人の命を犠牲にした。
ロシア軍の攻撃がこれほど損失を伴うものになっている理由のひとつは、ウクライナ軍のドローンだ。ロシア、ウクライナ双方が、擲弾(てきだん)を投下するクアッドコプターや、爆発する一人称視点(FPV)ドローンを配備しているが、ドローンは間違いなく、攻撃よりも姿の見えている攻撃者に対する防衛の方で力を発揮する。だが、ロシア軍の創造性に富んだあるドローン部隊がこの定説を覆そうとしている。
A group of Russian infantry decided to hide from FPV drone inside of a destroyed BTR. Avdiivka front, by the 47th Brigade. https://t.co/eMpPkPT8Ua pic.twitter.com/fuTYhfvVh7
— Special Kherson Cat 🐈🇺🇦 (@bayraktar_1love) November 13, 2023
古い車両の金属の残骸は、ドローンに搭載された鵜の目鷹の目のカメラから身を隠してくれるかもしれない。それはもちろん、車両の中に入り込むところをドローンが見ていなければの話だが。
アウジーイウカ近郊でホバリングしていたウクライナ軍のドローンはまさしく、ロシア軍の兵士が大破したBTRの中に姿を消す様子を観察していた。間もなく、爆発物を搭載したもう1機のFPVドローンが、BTRの開いたハッチを通って兵士らを追い、爆破した。
煙に包まれたBTRの残骸から生き残って這い出てくる者はいなかった。
「経験豊富なFPV操縦士かどうかによって大きく左右される」とベンデットは指摘する。アウジーイウカで攻撃を行った操縦士は明らかに経験が豊富だった。
最近、バフムート周辺では1人のドローン操縦士が、巧みな1回の攻撃でロシア軍の戦車2両を損傷させた。同時期にヘルソン州では別のドローン操縦士が、バイクに乗ったロシア軍防空部隊の兵士2人を追い詰めた。これらの操縦士と同じくらい、アウジーイウカで攻撃した操縦士も経験豊富だったのだろう。
(forbes.com 原文)