働き方

2023.11.12 12:00

自らの成功を「ちゃんと祝い、感謝」すればストレスは軽減する

安井克至

Getty Images

成功に向けてわき目も降らずに突き進んでいると、たとえ成果を上げたとしてもそれを「祝うこと」はどうしても二の次になる。しかし、毎年11月1日は全米ストレス啓発デーだ。何かとストレスのたまる年末のホリデーシーズンを前に「祝うことと感謝すること」がストレス軽減に役立つことを思い出すにはぴったりの時期だ。

現代社会は、ひたすら上を目指して努力しなければならないというプレッシャーが強くときとして押しつぶされそうになる。そのせいで、熱心に働く自分をきちんと評価しようという気になかなかなれない。しかし、自分が成し遂げた成果を認め、感謝を表現すると、ストレスがぐっと軽くなり、公私ともに生活が大きく向上する。そう理解することは非常に重要だ。

上がり続ける成功のハードル

何かを達成しても、素直にそれを祝えない場合がある。それはなぜかというと、私たちには「成功への期待値をひたすら上げ続ける傾向」があるからだ。1つのゴールを達成すると、すぐに次のゴールを設定する。そのため、ひと息ついて、自分がどれほど進歩したのかを評価する機会がなかなかない。そうやって休む間もなく成功に向けて突き進んでいると、ストレスがたまり、心理的な負担も増し、成果に心から満足できる日は決して訪れない。

自分の成果を自分で祝ったからといって、進歩が止まるわけではない。祝うことはストレスを軽減し、新たな目標を設定し、次の成果に向けて再充電できるシンプルな方法なのだ。

自己満足への怖れ

プロフェッショナルの多くは「祝うこと」が自己満足につながるのではないかと懸念する。成果に酔いしれているうちに、競争上の強みを失ったり、キャリアアップが遅れてしまったりするに違いないと考えてのことだ。しかし、成果を祝うことは、栄光に安んじるということではない。それは、自分自身が積み重ねてきた努力や、固い決意、尽力を認めて、評価することだ。

実際、あえて時間を取って「祝うこと」すると、やる気が増し、ストレスは軽減する。自分の道が間違っていなかったという感覚が得られるからだ。努力が報われたことが実感しやすくなるし、成功の追求にしばしばともなう不安が軽減され、自分を労ろうという気持ちが強くなる。
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翻訳=ガリレオ

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